摩訶不思議な「文在寅の支持率」現在は過去最低!就任4年目としては最高!
文在寅大統領は今日(10日)で就任4周年を迎えた。韓国の大統領の任期は1期5年なので文大統領の残り任期は1年である。
就任時(2017年5月)には58%程度だった文大統領の支持率は南北首脳会談があった2018年4月27日直後の就任1周年には83.0%に急上昇していた。その後、やや減らしたものの昨年4月の総選挙で全議席(300議席)のうち180議席を占め、圧勝した直後の調査では71%もあった。しかし、昨年7月の第1週に49.8%と、50%台を割ってから一度も50%台まで回復できず、12月に30%台に陥ってからは低迷が続いている。
直近の支持率は、世論調査会社「韓国ギャラップ」が5月4日から6日にかけて全国有権者約1千人を対象に行った調査によると、34.0%。「不支持」は58.0%。
同じく世論調査会社「リアルメーター」が5月3日から7日まで全国有権者約2千人を対象に行った調査では「支持」は先週(4月第4週)よりも3ポイント上昇し、36.0%。「不支持」は逆に2.3ポイント下がり、60.3%となっていた。また、韓国社会世論研究所が全国の有権者約8千人を対象に7日に実施した調査では「支持」は33.9%で、「不支持」は62.0%となっている。
この直近の三つの世論調査結果でも明らかなように文大統領に対する国民の支持は現在、33.9%~36.0%しかない。
韓国の場合、支持率が40%を割れば「黄色信号」、30%前半にまで落ち込めば「赤信号」が灯り、20%台で「死に体」(レイムダック)になると言われているが、文大統領の現状はレイムダックに向かっていると言っても過言ではない。
しかし、韓国の大統領の支持率は任期終了が近づくにつれて下がるというのが慣例と言うか、宿命となっている。
歴代大統領の就任4年目の支持率をみると、文大統領の支持率は韓国が軍政から民政に移行した以降、歴代大統領の中では最も高い。そのことは6人の歴代大統領の支持率(就任時と4年目)と比較してみると一目瞭然である。
盧泰愚大統領(1988.2-1993.2)56%→12%
金泳三大統領(1993.2-1998.2)65%→14%
金大中大統領(1998.2-2003.2)41%→33%
盧武鉉大統領(2003.2―2008.2)78%→16%
李明博大統領(2008.2-2013.2)60%→24%
朴槿恵大統領(2013.2―2017.3)42%→5%
朴槿恵大統領は任期途中の2016年12月に職務停止となり、2017年3月に罷免されため4年目を全うできなかったが、職務停止前の世論調査(11月)では一桁の5%だった。
文大統領は今日、就任4年目に際して国民に特別演説を行い、残り1年の国政運営に関する自身の青写真を公開することにしているが、文大統領の課題は▲ワクチンの確保など「コロナ克服」▲不動産市場の安定化▲国民和合と統合▲就職問題など山積みだ。
政党の支持率でも「リアルメータ―」の調査では政権与党の「共に民主党」は野党第1党の「国民の力」を下回っている。
「リアルメータ―」の調査では「共に民主党」の30.2%に対して「国民の力」は35.3%。また「韓国社会世論研究所」の調査でも「共に民主党」の29.4%に対して「国民の力」は34.0%と、どちらも野党が5%前後上回っている。
大統領選挙は来年3月に予定されているが、出馬が取り沙汰されている「共に民主党」の李在明・京畿道知事と保守陣営が擁立する尹錫悦前検察総長の支持率でも尹前検察総長が李知事を10ポイントも上回っている。
文政権が残り1年で支持率を浮上させることができなければ、政権交代が現実味を帯びるだろう。