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iPhone 7、なぜジェットブラックモデルだけが不足しているのか?

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
不足しているiPhone 7、ジェットブラックモデル。Appleより

9月16日に発売されたAppleの最新スマートフォン『iPhone 7』。「発売日に購入した」という人も多いでしょうが、一方で予約したのにまだ手に入れられていない人たちもいます。

その理由はiPhone 7のカラー。従来のシルバー、ゴールド、ローズゴールドを選んだ人たちはすぐに入手できましたが、新色のブラック(マット)、ジェットブラックを選んだ人たちの多くは未だに入手できていません。

なかでも入手しづらいのが表面を高光沢に仕上げられたジェットブラックモデルです。

このカラーの人気は高く、KGI証券のミンチークオ氏(アナリスト)によると全世界の予約者のうち30~35%、およそ3分の1のユーザーがジェットブラックを選択しているとのこと。

In terms of color choices, a survey conducted by KGI shows that Jet Black is the most popular color option. Jet Black apparently accounted for roughly 30 percent to 35 percent of pre-orders worldwide, while in China it accounted for 45 percent to 50 percent of pre-orders. The 128GB model has also been the most sought after choice thus far as well, according to the survey.

出典:KGI: Stronger iPhone 7 Plus numbers & Jet Black not enough to combat slowing shipments | 9to5Mac

そして、不足の理由はこれだけではありません。

ジェットブラックは製造が困難

一番の理由は、ジェットブラックモデルの製造が困難なことです。

ジェットブラックモデルは高光沢に仕上げる必要があるため、筐体となるアルミニウムプレートを研磨したあと、9段階の酸化皮膜処理を実施。そのうえでさらに特殊な液体での研磨が行われます。

研磨&皮膜処理されるケース。Appleスペシャルイベントより
研磨&皮膜処理されるケース。Appleスペシャルイベントより

この結果、製造されたジェットブラックモデルの30~40%がAppleの品質基準に合格できず、歩留まりは60~70%と低くなってしまっているのです。

Jet Black models suffer from a low casing production yield rate of 60-70%, meaning that 30-40% of units do not pass Apple's quality standards and must be retooled, according to KGI Securities analyst Ming-Chi Kuo.

出典:Jet Black iPhones Face Global Shortage as New Color Proves Difficult to Manufacture - Mac Rumors

一番人気のモデルであるにも関わらず、製造できる数も少ない。結果としてジェットブラックモデルのみ不足することになり、Apple Storeでは他モデルの出荷までの日数が1~3週間のなか、ジェットブラックのみ3~5週間とされています。

「iPhone 7が欲しいけれどもカラーにこだわりはない」という方は、ジェットブラック以外のモデルを選択すると早めに入手できると思われます。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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