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GSOMIA破棄か?留保か?韓国が本日、最終結論へ!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
GSOMIAを破棄すべきか?維持すべきか?悩む文在寅大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)の破棄撤回に向けてエスパー米国防長官を筆頭にペンタゴン幹部、さらには国務省高官らを相次いで韓国に派遣し、説得を続けていた米国が文在寅大統領から「原因は日本にある。日本が輸出規制を解除しない限り、破棄せざるを得ない」と言われ、一転、日本に対しても外交的な働きかけを強めている。

 米国はこれまで韓国が問題にしている日本の輸出規制措置については「仲裁しない」との立場だったが、北朝鮮の非核化をめぐる米朝交渉の前途が危うくなるや「仲裁するつもりはないが、関与はしている」と公然と言い出し始めた。

 トランプ政権は日韓の懸案は当事者である日韓双方が直接、対話で解決すべきことで第三者が口出しすべきことではないとの立場から「仲裁はしない」との姿勢を堅持しているが、GSOMIAの破棄は日米韓安全保障体制、米韓同盟関係、米国のインド・太平洋戦略に影響を及ぼす事案なので国益上の観点から「関与」、即ち米国の懸念を日本にも伝えている。

 実際にエスパー国防長官は15日の文大統領との会談の場で「日本にも外交努力するよう求めている」と米国が日本に対しても働きかけていることを伝えていた。また知日派の前太平洋軍司令官であるハリス駐韓米大使も韓国メディアとのインタビューで「NSCも国防省も国務省も日本に対しても働きかけを行っている」と述べ、米国が韓国だけでなく、日本に対してもGSOMIA維持に向けて努力するよう申し入れている事実を明かしていた。

 米国が日本に対しても同様の働きを行っていることについては韓国の鄭景斗国防部長官もタイ・バンコクでの日米韓3カ国国防相会談(17日)終了後に随行の韓国記者団に対して「米国はGSOMIA維持のため日本に対しても圧力をかけている」と発言していた。

 GSOMIA失効(23日午前零時)直前の明日、22日に名古屋で開かれるG20外相会議にはサリバン国務副長官が出席し、日韓外相と最後の調停を行うものとみられるが、それに先駆けてすでにスティルウェル・国務省東アジア担当次官補が来日し、東京で外務省幹部と接触している。

 スティルウェル次官補は今月初め、韓国を訪問し、「米韓同盟が平和と安保の礎という点を再確認していただきたい」と発言し、GSOMIA破棄を撤回するよう強く求めた当事者の一人である。

 スティルウェル次官補は米国が韓国だけに圧力をかけていることに韓国内で不満が高まっていることを意識したのか、「我々は積極的に関与している。我々の活動が目に見えないからと言って我々が何もしていないわけではない」と釈明していたが、彼の言葉のとおりならば、当然、外務省幹部との接触で安倍政権に対しても韓国がGSOMIA破棄を撤回、もしくは留保する大義名分を与えるよう要請していたとしても不思議ではない。

 安倍首相が昨日午後、河村建夫日韓議員連盟幹事長との面談で「韓国が日韓の約束を確実に守るならば」との前提条件付きながら「基金をつくり、そこに日韓企業及び国民が自発的に参加(寄付)する」と韓国の文喜相・国会議長の元徴用工問題打開策について受け入れる意向を表明したことはその一環かもしれない。

 文大統領は一昨日(19日)の「国民との対話」でGSOMIA終了を決定した原因は「日本側が提供した」として日本がまず、対韓輸出規制を強化した問題を解決すべきとの原則を強調していたが、安倍総理の文国会議長の私案の受け入れ表明を受け「GSOMIAが終了する事態を回避できるなら、最後まで日本と努力していく」と述べていた文大統領がどう評価するのか、本日開かれているGSOMIA失効を目前にした最後の国家安全保障会議での結論が注目される。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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