マイクロソフトが2画面アンドロイド端末を発表『 #SurfaceDuo 』2020年クリスマス商戦?
KNNポール神田です。
米マイクロソフト(MS)は2日、スマートフォン事業への再参入を発表した。折りたたみ式の2画面のスマホ「サーフェス・デュオ」を来年2020年の歳末商戦に投入する。
発表会イベントの全容はこちらの動画
- MicrosoftEvent Live 10.02
※1時間25分頃にSurface Duoが登場する
■Surfaceの新機軸5.6インチ×2画面の『Surface Duo』
動画を見ると、冒頭には、キーボードのついた、9インチ×2画面 360度ヒンジのある『Suface Neo(Windows10X)』が登場し、その後、5.6インチ×2画面 360度ヒンジのある『Surface Duo(Android OS)』が登場する。
『Surface Duo』は折りたたみといっても、昨今の折り曲がるディスプレイの『フォルダブル』タイプではなく、2画面を360度ヒンジでつなげたタイプ。映像を見る限りヒンジがないほうが良いが、ヒンジがある事によっての使い心地の悪さはあまり感じにくい。しかし今から1年後のフォルダブルタイプの有機ELを多く見かける時代にどう見えるかは気になるところだ。
最大の特徴はOSだ。Microsoftが、Windows Mobile ではなく、Android OSを採用していることが最大の特徴でもある。
■MicrosoftがAndroid OSを採用する理由
現在、Microsoftは、時価総額で100兆円を超える世界ナンバー1企業へと返り咲いている。その源泉はなんといってもサティア・ナデラCEOの『クラウド』事業へのシフトにある。
https://4knn.tv/2018microsoft/
Microsoftサービスの成長率では圧倒的にクラウド事業が占めていることがわかる。
またセグメント別売上でも、すでにクラウド事業はMicrosoftの3本柱の一角にまで成長している。
これらの事から判断すると、度重なる失敗の中で、新たに『WindowsMobile』のOSでの参入はありえない。モバイルにおけるOSのライセンスビジネスはすでに過去のものである。GoogleはAndroid OSを通信機器ベンダーに無償提供している。
むしろ、広く浸透しており、世界的に圧倒的なモバイルユーザーがいる、Android OS陣営にはいることによってのメリットの方が多い。すでに、クラウドビジネスの事業領域では、Microsoftは、モバイルであれ、データの共有が図られている。
すでに、Surface製品群では、PC&タブレットのハードウェアの領域はどちらもでも使えるという環境にある。
■実現するか?『Surface』ブランドのモバイルからPCまでの一気通貫モデル
今回『Surface Duo』の投入により、Surface製品群のラインナップがモバイル&タブレットの領域に及ぶこととなる。しかも、Android ユーザーからの選択肢に入ることによって、Surface製品群へのアップグレードも期待もできよう。
すでに、Apple製品は、Watch OS とiPad OS とmacOS のシームレスな一気通貫でAppleというOS規格の中での独自のUX(ユーザーエキスペリエンス)を生み出している。
Microsoftは、『Surface』という製品ブランドでOSを意識させないクラウドの中でのUXを提供していくための戦略商品として『Surface Duo』を位置づけているようにみえる。しかしながら、これから12ヶ月後のハードウェアのラインナップの発表は、中国勢の果てしない進化の前に自らの規格に縛られてしまいそうにみえて仕方がない。1年後のハードウェアの規格をコミットし維持するのは前途多難だ。