【京都市西京区】500mの石畳を登った後にある白鳳時代から続く花の寺で静寂の中の紅葉が見事な色づき!
京の西山連峯の一つ、小塩山麓にあって、紅葉の名所として知られるようになってきた大原野神社に隣接しているのも関わらず、まだまだ訪れる人も少なく、紅葉の穴場と言えるのが、白鳳8年(西暦679年)天武天皇の勅によって神変大菩薩「役の行者」が創建したとされる「小塩山大原院勝持寺」です。2023年12月3日に行ってみました。
まずは大原野神社を訪れると、鳥居から続く坂道にある紅葉のトンネルが朱に色づいていました。嵐山辺りとはとても比較できるほどではありませんが、日曜日でしたので、大勢の人が訪れていました。
西側にある駐車場を抜けるとすぐにも、勝持寺の参道が見えてきます。応仁の兵火を免れた仁寿の旧構を残す最古の建造物の仁王門から境内へと向かう、細長い緩やかな500メートルの坂道に敷かれた石畳を登って行くと、中門へと至ります。途中のモミジのトンネルが青々としていたので、ここであきらめる人もいたのでは。
何組かの観光客の人たちがまばらに歩いている境内に入ると阿弥陀堂(本堂)や鐘楼が朱に染め上げられる見事な風景が広がっています。桜のイメージが強い勝持寺ですが、紅葉もかなりの数が群生しています。
また、白壁と紅葉のコントラストも表現しがたいほどの風情があります。
勝持寺は、創建後の延暦10年(西暦791年)に伝教大師最澄が桓武天皇の勅を奉じて堂塔伽羅を再建し、薬師瑠璃光如来を一刀三礼をもって刻み本尊としたと伝承されています。また、鳥羽上皇に仕えていた北面の士の佐藤藤兵衛義清が、保延6年(西暦1140年)にこの勝持寺に於て出家し西行法師となったとされる古刹です。
承和5年(西暦838年)仁明天皇の勅によって塔頭49院を建立されましたが、応仁の兵火に遭い、仁王門を除きすべて焼失しました。現在の建物は乱後に再建されたものです。
歴史ロマンあふれる静寂の森へ行ってみてください!
天台宗 勝持寺(花の寺)(外部リンク)京都市西京区大原野南春日町1194 075-331-0601