認知症と喫煙【ニコチンの認知症予防説は本当か?】介護福祉士が漫画でわかりやすく解説
こんにちは。認知症のケアサポーター『夢 はるか』です。わたしは介護現場で15年以上働く介護福祉士です。
介護の仕事をしながら、子どもの頃から好きだった漫画を描くことを通して、一人でも多くの人に認知症や介護のことを知っていただけたらと考え、Yahoo!ニュースへの寄稿を続けています。
『たばこが認知症に効く』は本当か?
『たばこに含まれるニコチンが脳に作用し、認知症の発症を抑える』という学説があります。
この学説をもとに、喫煙を正当化する医師や学者もいるようです。
しかし、近年の大規模疫学調査の結果では、喫煙は認知症の危険因子であることがわかっています。
やはり、たばこが認知症に良いとはいえないようです。
アルツハイマー病患者は、たばこを吸わない人の方が多いという研究もあります。
しかしさらに研究を進めると、喫煙者は平均寿命が短く、アルツハイマーになるまで生きていないケースが多いということがわかったそうです。
たばこは認知症だけでなく、がんや心疾患など多くの病気のリスクを高め、寿命を縮めます。
たばこを吸う人には残念な話かもしれませんが、健康で長生きするためには、たばこはやめたほうがよさそうです。
喫煙と認知症の関係について、いつものようにイラストを交えながら、もう少し詳しく説明していきましょう。
喫煙の期間が長いほどリスク増
喫煙の期間が長いほど、認知症のリスクが高まるという研究結果があります。
具体的な症状としては、言葉の流暢性や、記憶などの認知機能低下の可能性を示唆する報告もされています。
年齢に関係なく、早期の禁煙を
禁煙を早く始めるほど、認知症を発症するリスクは低くなります。
「もう年だから遅い、関係ない」ということは、決してありません。
1日も早く禁煙を始めましょう。
喫煙者が認知症になることで起こる危険性
喫煙の習慣を続けたまま、認知症になってしまったら…
一番怖いのは『火の不始末』ですね。
認知症が進むと、灰皿を安全に片付けることも難しくなってくるでしょう。
寝たばこや、吸い殻のポイ捨てが原因で火事になる恐れがあります。
火の始末ができないと、最悪の場合自分だけでなく、多くの人の命を奪う危険もあります。
禁煙外来の利用も
自分一人の努力では禁煙が難しいという人は、禁煙外来など専門家の手を借りましょう。
健康保険を使った禁煙治療の場合、たばこ代よりも安く済むこともあるようです。
禁煙のアドバイスや、吸いたくなったときに励ましをもらえるスマホアプリも開発されています。
自分と家族のために、まずはできることから一歩を踏み出してみましょう。