金正恩の軍隊が「馬賊」に変身…暴走兵士のやりたい放題
北朝鮮の社会安全省(警察庁)が増加する一方の凶悪犯罪との「全面戦争」を宣言したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。
咸鏡北道(ハムギョンブクト)のある住民はRFAに対し、先月27日に「社会安全省の布告文が道内の全住民に伝達された。全住民をあげて、社会主義制度の安全を守るための戦いに臨まなければならないとの内容だ」と語っている。
この住民は「布告文には、日々発生している殺人、強盗、強姦など凶悪犯罪の深刻な状況が反映されている」とし、「人民の生命と安全が深刻に侵害されている現実を絶対に黙過できず犯罪との全面戦争を宣言した、との内容に続き『血を分けた親兄弟、子供でもかばいだてせず、法に基づき申告し、自首させよ』と強調している」と説明している。
北朝鮮では1990年代の大飢饉「苦難の行軍」に際しても犯罪が増加し、当局は公開処刑などの厳罰で治安回復に臨んだ。食糧難が当時と近い状況にまでなっているとされる今、やはり犯罪が増加し、当局は過去と同様のやり方で対処しようとしているようだ。
(参考記事:美女2人は「ある物」を盗み公開処刑でズタズタにされた)
「当局『法の刃で容赦なく懲罰し、根こそぎにするための探索戦、追撃戦、狙撃戦、掃湯戦を攻勢的に繰り広げるだろう』としながら、『殺人と強盗、強姦などの極悪犯罪は 公開処刑を含む最も重い刑罰を適用する』とし、全面戦争を宣言した」(住民)
一方、平安北道(ピョンアンブクト)の別の住民も、「最近、犯罪行為が絶えないことと関連して社会安全省の布告が出された」とし、「当局が全社会的に広がる犯罪との全面戦争を繰り広げると宣言した」と証言している。
この住民によれば消息筋は「最近は少し日が暮れても敢えて外出できない殺伐した雰囲気」だとし、「生きるか死ぬかの状況に至った人々が犯罪に走っており、住民たちは鶏や犬、豚さえも外に出せず、家の中で育てなければならない」と現地の様子を語った。
さらに、「最近では、お金のせいで子どもが両親を殺し、生計問題のせいで夫婦の間で刃傷沙汰になったなどということは、驚くべき事件でもない」と説明。「特に地域に駐留する軍隊と突撃隊は社会的に、もはや公然の馬賊、盗賊団と烙印を押されている」とし、「自分たちでは『元帥様(金正恩総書記)の軍隊だ』などと言っているが、犯罪の大部分は飢えた軍人たちと建設突撃隊員によるものだ」と強調している。