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最も効率のいい1試合3本塁打!? 飛距離の平均は107m未満

宇根夏樹ベースボール・ライター
アンソニー・リゾー(ニューヨーク・ヤンキース)Apr 26, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月26日、アンソニー・リゾー(ニューヨーク・ヤンキース)は、2打席目と3打席目に続き、5打席目もホームランを打った。リゾーの通算本塁打は、これが257~259本目だが、それまでの256本のなかに、1試合3本はなかった。

 MLB.comのサラ・ラングスは、この3本塁打の推定飛距離は平均350フィートで、2015年以降の「スタットキャスト・エラ」における、1試合3本塁打の平均飛距離の最短と報じている。それまでは、昨年10月2日にブランドン・ラウ(タンパベイ・レイズ)が記録した、平均364フィートが最も短かったという。350フィートは約106.7m、364フィートは約110.9mだ。

 また、ESPNスタッツ&インフォは、リゾーの3本塁打は合計1051フィート、2006年以降に記録された177度の1試合3本塁打のうち、最も短い合計飛距離、とツイートしている。1051フィートは約320.3mだ。

 スタットキャストによると、この3本塁打の推定飛距離は、それぞれ、346フィート(約105.5m)、378フィート(約115.2m)、327フィート(約99.7m)だ。合計は1051フィート、平均は350.3フィートとなる。

 ラウとリゾーは、どちらも左打者だ。ラウも、ヤンキー・スタジアムで1試合3本塁打を記録した。こちらの通算79本塁打のなかにも、1試合3本は他にない。

 違う球場であれば、2人とも、1試合3本塁打ではなく、1試合2本か1本、ひょっとすると0本だったかもしれない。

 リゾーの約2週間前には、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)も1試合に3本のホームランを打っている(「ゲレーロJr.の「1試合3本塁打」は2度目。どちらも最初の2本は大物投手から」)。こちらも、ラウとリゾーと同じく、ヤンキー・スタジアムで記録した。ここ3度の1試合3本塁打は、いずれも同じ球場ということになる。

 もっとも、ゲレーロJr.は右打者だ。1試合3本塁打の推定飛距離は、416フィート(約126.8m)、427フィート(約130.1m)、443フィート(約135.0m)だった。

 なお、今シーズン、ここまでのホームランは、リゾーが8本、ゲレーロJr.が5本、ラウは3本。リゾーの本数は、両リーグで最も多い。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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