ウクライナ軍、レアなロシア製偵察ドローン「Orlan-30」「ZALA 421-16Е2」破壊
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。そして両軍でドローンの撃墜が繰り返されている。
ロシア軍は主にロシア製の監視・偵察ドローン「Orlan-10」で上空からウクライナの監視・偵察を行っている。たまに「Eleron-3」でも偵察を行っている。ほとんどが「Orlan-10」か中国製の小型民生品ドローンで監視・偵察を行ている。
それ以外のロシア製のドローンでも監視・偵察を行っている。最近では2022年11月には「Granat-4」、「Korsar(Корсар)」、「Supercam S150」、「ZALA 421-16Е2」というロシア製の偵察ドローンも破壊されていた。「Orlan-30」はさらにめったに見ることができないが2022年9月に破壊されていた。
ウクライナ軍では撃破したロシア軍のドローンや戦車、輸送トラックなどをSNSで公開して世界中にアピールしている。ロシア軍がウクライナに軍事侵攻してから数か月は、ロシア軍の監視ドローン「Orlan-10」の破壊された写真も多くSNSで公開していた。だが「Orlan-10」以外の監視・偵察ドローンが使用されて、迎撃されて破壊されることはあまり見かけない。
そして2023年2月には監視・偵察ドローン「Orlan-10」、カメラの精度が高い「Orlan-30」、「ZALA 421-16Е2」を破壊した動画を公開していた。「Orlan-10」の破壊された写真はウクライナ軍やウクライナ兵やメディアでも常連だが、「Orlan-30」、「ZALA 421-16Е2」は非常にレアで久しぶりに破壊された動画が公開されていた。
ロシア軍はもっぱら監視・偵察ドローンとして「Orlan-10」を使用している。そのため、たまに違う機種の監視・偵察ドローンの残骸が公開されると、「Orlan-10」が枯渇してしまったのではないかと推測していた。だが、それでもまだこのように「Orlan-10」の残骸が公開されているところを見ると、「Orlan-10」の在庫はまだあるようだ。
▼ロシア軍の監視・偵察ドローン「Orlan-10」、「Orlan-30」、「ZALA 421-16Е2」を破壊した動画を公開
▼上空の「Orlan-10」を破壊
ドローンは攻撃用も監視用も探知したらすぐに迎撃して破壊してしまうか、機能停止させる必要がある。上空のドローンを迎撃するのは、電波を妨害(ジャミング)してドローンの機能を停止させるいわゆる"ソフトキル(soft kill)"と、対空機関砲のように上空のドローンを爆破させる、いわゆる"ハードキル(hard kill)"がある。今回の「Orlan-10」、「Orlan-30」、「ZALA 421-16Е2」はハードキルで破壊されている。
このような監視・偵察ドローンは発見したら、すぐに迎撃しなくてはならない。偵察ドローンは攻撃をしてこないから迎撃しなくても良いということは絶対にない。
「Orlan-10」や民生品ドローンのような安価な偵察ドローンに対してミサイルシステムで迎撃して破壊するのはコストパフォーマンスが低いと思われるかもしれない。だが偵察ドローンに自軍の居場所を察知されてしまったら、その場所にめがけて大量のミサイルを撃ち込まれてしまい大きな被害を招きかねないので、偵察ドローンを検知したら、すぐに迎撃して爆破したり機能停止させたりする必要がある。回収されて再利用されないためにもドローンは上空で徹底的に破壊しておいた方が効果的である。
▼「Orlan-30」
▼「ZALA 421-16Е2」
▼「Orlan-10」