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台風8号 東北地方への影響は?

平野貴久気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属
25日21時の時点での台風進路図(ウェザーマップ提供)

 台風8号が異例のコースで関東~東北地方に接近しようとしています。25日(日)21時現在、台風8号は日本の南東の海上にありますが、今後は左にカーブするように日本列島に進んでくる見込みです。この時期の台風は、西日本から回り込むようにして日本列島を縦断していくコースが一般的ですが、今回はそれを反転させたような、まるで逆のコースをとる見込みです。

高気圧と寒冷渦

 このようなコースをとる原因は、日本付近に張り出している高気圧と、寒冷渦です。現在、太平洋高気圧は、東の海上から北日本中心に張り出しているため、台風はその縁を沿うように進みます。また、台風の西側には、上空に寒気を伴った低気圧「寒冷渦」があります。寒冷渦は反時計回りで回転しており、その流れに乗るようにして、日本列島へ向かうというわけです。

台風が左にカーブする様子 北側に高気圧、西側に寒冷渦がある(25日21時の実況天気図に筆者加工/ウェザーマップ提供)
台風が左にカーブする様子 北側に高気圧、西側に寒冷渦がある(25日21時の実況天気図に筆者加工/ウェザーマップ提供)

東北地方への影響は?

 台風が接近するとなると、大雨、暴風、高波、高潮と、警戒が必要な現象がさまざまありますが、今回、最も警戒すべきは「大雨」となりそうです。

 東北地方では、太平洋側(福島県・宮城県・岩手県)が影響を受けやすい地域となります。特に、山の東側斜面では、湿った空気がぶつかって雨雲が発達しやすくなるため、雨量が多くなるおそれがあります。福島県~宮城県南部に連なる阿武隈高地の東側は、その典型例といえるでしょう。

 雨は、26日(月)の夕方から降り始める見込みで、26日(月)18時~27日(火)18時までの24時間の予想雨量は、東北太平洋側の多い所で100~200ミリ。その後も28日(水)にかけて断続的に雨が降る見込みで、雨量はさらに増えるおそれがあります。多くなりそうなのは、福島県の浜通り、中通り、宮城県の南部(丸森周辺)、岩手県の沿岸地域とみられます。

 土砂災害、河川の増水などに警戒してください。特に、土砂災害警戒区域などにお住まいの方は、気象庁ホームページの危険度分布を見ていただき、危険が迫っているようであれば、自治体が発令する避難情報を待たずに、早めに安全な場所へ避難していただくよう、お願い致します。

26日18時~27日18時までの24時間予想降水量(ウェザーマップ提供)
26日18時~27日18時までの24時間予想降水量(ウェザーマップ提供)

※台風進路図は最新のものをご確認ください。

気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属

1980年愛知県生まれ。大学では気象学を専攻。卒業後は番組制作会社でリサーチャーとして活動。メディアを通じて自ら気象情報を発信したいという思いから、2009年に気象予報士の資格を取得。2012年から宮城県の仙台放送にて気象キャスターを務める。現在「仙台放送 Live News it!」出演中。予報はもちろんのこと、これまで宮城県内さまざまな場所を取材した経験から見えてくることなども発信できたらと思います。

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