オランダ初のアンネ・フランク映画:92歳でイスラエル在住の親友だったハンナとの物語
第二次世界大戦の時に、ナチスドイツが約600万人のユダヤ人を殺害した、いわゆるホロコースト。アンネ・フランクはユダヤ人だったために、ナチスの標的となり迫害を逃れてオランダのアムステルダムの隠れ家で約2年間、身を潜めて生活していたが、密告されて1945年にベルゲン・ベルゼン強制収容所で病気で死亡した。アンネが隠れ家生活で思いを綴った日記を戦後、ホロコーストから生き延びた父オットー・フランクが「アンネの日記」として出版し、現在でも世界中で多くの人に読まれている。アンネ・フランクはホロコーストを象徴するような人物で、欧米やイスラエルではホロコースト教育が行われることが多く、小学生の必読書にもなっている。
またアンネ・フランクは世界中の老若男女にも人気がある。世界中の若者に人気のインスタグラムには世界中のアンネ・フランクのファンがアンネの当時のモノクロ写真や、アムステルダムにある「アンネの家」を訪問した写真をたくさん投稿している。
アンネ・フランクの生涯は「アンネの日記」をもとにした映画、ドラマ、演劇、アニメ、マンガなどで世界中で作品の題材として取り上げられ、演じられている。アンネの生涯を忠実に描いたノンフィクションである。
92歳でイスラエル在住のアンネの親友だったハンナとの物語
そして2021年にはオランダで初めてアンネ・フランクを取り上げた映画「Mijn Beste Vriendin Anne Frank」(英語に訳すると"My Best Friend Anne Frank"「私の大親友のアンネ・フランク」)が制作された。今までのアンネ・フランクの映画では、流暢な英語を話しているアンネや家族のシーンに違和感を覚える人も多かったようだが、今回のアンネ・フランクの映画はオランダで制作されたため、実際にアンネ・フランクが話していたオランダ語で話している。日本での公開は未定。
今までのアンネ・フランクの映画やドラマは、アンネが執筆していた「アンネの日記」を元に隠れ家での生活を中心に描かれていた。そしてアンネ・フランク一家が密告されて逮捕されて収容所に送られるところで終わっているものが多かった。だが、今回、オランダで初めて制作されたアンネ・フランクの映画は、アンネと親友のハンナ・ゴスラーの話を中心に進められており、今までのアンネ・フランクの映画やドラマとは違った角度からアンネ・フランクを見ることができる。
アンネの親友だったハンナ・ゴスラー氏もユダヤ人だったために、ナチスに逮捕されて強制収容所に移送された。アンネは強制収容所で病気で死亡してしまったが、ハンナは辛うじて生き延びることができた。現在92歳でイスラエルに住んでいる。
▼現在のハンナ氏