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プーチン大統領から贈られたシベリア猫のミール君が12歳で永眠…佐竹知事の深い猫愛に迫る

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
イメージ写真(写真:アフロ)

2013年にロシアのプーチン大統領から佐竹知事に贈られたシベリア猫のミール君が3日朝、死んだことがわかりました。12歳と高齢になり、ここ数か月は体調を崩していたというミール君。佐竹知事が最後をみとったと秋田放送が報じています。

秋田放送によりますと、ミール君はリンパ性の病気だということです。日本では珍しいシベリア猫が12歳という長寿を全うできた点について考えてみましょう。

WebTVあきた 「ミール君の好きなもの紹介」より

上の動画は、今年2月のミール君の様子です。

動画の2分あたりでは、ミール君が自分でお皿からキャットフードを食べている姿が見られます。少なくとも、この時点では食欲があったようです。

12月3日に永眠したとのことですが、長い闘病生活を送ったわけではないようです。佐竹知事のご自宅にはミール君以外にも猫がいて、仲良く暮らしていたようです。

ミール君はシベリア猫・サイベリアン

イメージ写真
イメージ写真写真:アフロ

シベリア猫・サイベリアンは日本では珍しく、ロシア原産の猫で寒冷地に適応した厚い被毛とたくましい体を持つ自然発生種です。人間が交配を重ねて作り出した猫ではないのです。その歴史は古く、中世から存在すると言われています。

もともと過酷なシベリアの環境で生き抜いてきたため、健康的で頑強で大柄な体つきが特徴です。大きな体に柔らかく厚みのある被毛を持ち、その外見は優雅で力強い印象を与えます。

性格は非常に穏やかで、人懐っこく愛情深いです。

寒冷地に適した被毛

シベリア猫・サイベリアンの被毛は、寒さから身を守るために進化しました。

三重構造になっており、下毛(アンダーコート)は密集していて保温効果があります。そのためブラッシングを定期的にしないと脇などに毛玉ができやすいです。

被毛が寒風や湿気を防ぎ、外側の粗い上毛は水を弾く役割を果たします。このため、雪や氷点下の環境でも快適に過ごすことができます。

毛の手触りは柔らかく、さまざまな色や模様が見られるのも魅力です。

日本で飼う際の注意点

シベリア猫・サイベリアンは寒冷地の環境に適応しているため、高温多湿の日本では特別なケアが必要です。

特に夏場の暑さ対策は重要で、エアコンや扇風機で室温を快適に保つようにしましょう。被毛が厚いため、熱中症のリスクが高まる可能性があります。

定期的なブラッシングを行い、抜け毛を取り除いて通気性を確保することも大切です。また、湿気が多い環境では皮膚病が起こりやすくなるため、皮膚や被毛の状態を日常的にチェックしましょう。

食事や運動について

健康的で長生きするためには、栄養バランスの取れた食事が必要です。特に高タンパクなフードが推奨されます。

運動量も確保する必要があり、大型の猫用タワーや十分なスペースを提供してあげると良いでしょう。サイベリアンは遊び好きで賢い猫なので、知育トイや遊びを取り入れることで心身の健康を保つことができます。

佐竹知事の深い猫愛

WebTVあきた 「シベリア猫ミール君第8弾(平成31年2月22日公開)」より

ミール君が12歳まで生き続けた背景には、佐竹知事の深い愛情と献身的なケアがあったことがうかがえます。

寒冷地の動物であるシベリア猫・サイベリアンは、日本の高温多湿な気候で飼う際に特別な注意が必要です。

温度管理が重要

寒冷地原産の動物は暑さに弱く、特に夏場の体調管理が難しいとされています。セントバーナードやシベリア猫のような寒冷地の動物が夏に体調を崩しやすい中、ミール君が夏を無事に乗り越えられたのは、エアコンの使用や涼しい環境の維持が徹底されていたからだと推察されます。

秋田という比較的涼しい土地に住んでいたとはいえ、夏場の暑さへの配慮は欠かさなかった点が、ミール君の健康を守る鍵となりました。

ミール君の被毛が立派

ミール君が今年2月の動画を見る限り立派な被毛を保っていたことは、適切な栄養管理や日常的な被毛の手入れがなされていた証拠です。

栄養はまずは、悩や心臓で使われて、被毛は最後になりますが、栄養面でいきとどいているので、被毛が立派なのでしょう。

佐竹知事家の家具に爪研ぎの形跡

動画からも見られるように、ミール君や他の猫たちもまったりと過ごしています。そして、家具には猫が爪を研いだ形跡があります。猫が爪研ぎをしても猫が快適なら、許しているように見えます。猫にとってストレスの少ない環境作りは健康維持に直結します。

佐竹知事の猫たちの住環境への配慮は、ミール君が安心して暮らせる場を提供し、長寿を支えた大きな要因だったと言えるでしょう。

まとめ

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イメージ写真写真:アフロ

ミールはロシア語で「平和」を意味します。その名前の通り、猫好きな佐竹知事のご自宅で、他の猫たちと仲良く平和に暮らしながら永眠を迎えたのでしょう。

シベリア猫・サイベリアンは知的で愛情深い猫として知られていますが、寒冷地原産のため、日本で飼うには多くの工夫と努力が求められます。佐竹知事はその課題を克服し、ミール君を大切に育て上げました。猫を飼う際には、その猫の習性をよく理解し、終生飼養を基本とする姿勢が大切です。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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