日銀による残存期間1年超3年以下の国債買入オペで札割れが発生
23日の日銀による国債買入オペでは、オファー額は1年超3年以下3750億円、3年超5年以下4250億円、5年超10年以下4250億円となり、いずれも前回と変わらずとなった。
ただし、結果をみると1年超3年以下の応札額が予定額に届かない、札割れとなっていたのである。
10年債利回りが1%を付けるなど、ここにきて国債が売られ、利回りが上昇してきた。特に超長期債と呼ばれる期間の長い国債を中心に売られていた半面、中期債の利回り低下のピッチはそれほど大きくはなかった。
10年債利回りが1%を付けた背景には、日銀が国債買入の減額を正式に示唆する可能性とともに、利上げの可能性も織り込んできたといえる。
国債は売られやすい状況となるなか、どうして1年超3年以下への売りはオファー金額に届かなかったのか。
何かしらの特殊要因が働いた可能性も否定はできないが、超長期債を売却した資金で中短期債を購入していた可能性もある。
国債利回りが上昇している場合には、同じ利回り幅での価格の下落が大きくなる長めの期間の国債はリスクが大きくなる。むしろ今後、国債利回りが予想通りに上昇した際に、長めの期間の国債を購入したほうが損失は少なくなる。
それまでの間、待機資金は中短期の期間の国債に向かわせるといった動きがあったとしてもおかしくはない。
とはいえ、1年超3年以下の札割れはサプライズであった。しかし、これをきっかけに1年超3年以下の国債買入については次回から減額することも予想される。国債需給に応じた対応ということにもなる。ただし、今月は1年超3年以下の国債買入はもうない。