政府はガソリン価格抑制策を継続か
政府は、ガソリン価格抑制のための補助金について、9月末までとしている期限を延長し、10月以降も継続する方針を固めた(22日付毎日新聞)。
ガソリン価格抑制のための補助金とは、正式には「燃料油価格激変緩和補助金」と呼ばれるもので、緩和措置期間中、全国平均ガソリン価格が1リットル170円以上になった場合、1リットルあたり5円を上限として、燃料油元売りに補助金を支給する。
これは消費者に直接補助金を支給する制度ではなく、また、小売価格の高騰を避けるための制度であり、価格を引き下げる制度ではないと資源エネルギー庁のサイトには説明書きがある。
「燃料油価格激変緩和補助金」 https://nenryo-gekihenkanwa.jp/
このサイトではその目的について下記のように記されている。
「原油価格高騰が、コロナ下からの経済回復の重荷になる事態を防ぐため及び国際情勢の緊迫化による国民生活や経済活動への影響を最小化するための激変緩和措置として、燃料油の卸売価格の抑制のための手当てを行うことで、小売価格の急騰を抑制することにより、消費者の負担を低減することを目的としています。」
これは物価高への政府の対応策である。総務省は政府の電気・ガス料金の抑制策と観光支援策「全国旅行支援」が共になければ、生鮮食品を除く総合が3.1%ではなく4.2%上昇だったと試算している。
レギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格が180円を超えてきており、過去最高だった2008年8月以来、約15年ぶりの高値が続いている。
原油価格の高止まりや6月から段階的に補助の割合を減らしてきたことも大きな要因ながら、そこに円安の影響も加わる。
物価の番人は政府というよりも日銀である。日銀が頑なに金融政策の正常化を拒み、それが円安を招くとともに、物価そのものを押し上げる温床ともなっている。政府の対策の前に日銀も物価高への対応策を当然講ずるべきではないのか。