気持ちよさそうに眠っている飼い主の顔を、猫がちょこんと踏みつける。愛らしい光景ですが、なぜ猫は飼い主を踏みつけるのでしょうか？

この一見何気ない行動には、猫の心の奥底にある様々な感情が隠されています。

1．猫が飼い主を踏みつける7つの理由

1‐1．愛情表現

猫が飼い主を踏みつけることは、一見乱暴に見えますが、実は深い愛情表現の一つなのです。

そもそも猫は、踏みつける行為を悪いとは思っていません。もちろん人が、他人や動物を踏みつけたら怒られますが、猫にはそういったことがないのです。

そのため「飼い主と一緒にいたい」「飼い主と片時も離れたくない」という気持ちがあると、そばに居たいがゆえに飼い主を踏みつけてしまいます。

飼い主を踏みつけていれば、スキンシップをとりながら、そばにいられるからです。

このように堂々と飼い主の踏む行動の裏には、実は無条件の愛と信頼が隠されているんですね。

1‐2．かまってほしい

猫が飼い主を踏みつけるのは、愛情表現だけではありません。かまってほしいときも、飼い主を踏みつけます。

たとえば飼い主がテレビを見ている時やスマホをいじっている時などは、「なにかアクションを起こさないと気づかないかも」というように、足元にちょこんと座り込んだり、足を踏んでみたりします。

一生懸命「遊んで！」「もっとかまって！」とアピールしているのです。

とくに「踏みつけると飼い主が反応してくれる」と学習している猫なら、飼い主の気が反れたタイミングで、迷わず踏んできます。

1‐3．要求がある

猫が踏みつけるのは、時には明確な「要求」を伝える手段にもなります。

たとえばお腹が空いた・トイレを掃除して・一緒に遊んでなど。何かを求めている時に、飼い主の元に来て踏みつけるのです。

最初は鳴いてみたりスリスリをしてみますが、それでも飼い主が反応しなければ猫はもっと大胆なアピールをしないといけません…。

そして猫がこのように要求行動を示す時は、特定の場所やタイミングで、同じような行動を繰り返すことが多いです。

具体的にはいつもご飯をあげる時間になると、飼い主をしきりに踏み始めるなど。

このような行動パターンが見られたら、猫が何を欲しているのかを推測してみるといいでしょう。

1‐4．飼い主が通り道にいるだけ

猫が飼い主を踏みつける理由のひとつは、そこが猫の「通り道だから」です。

猫は最短距離で目的地に到達しようとしますが、飼い主がその動線上にいる場合でも、猫はあまり気にせずにその上を通過します。

猫にとって特に悪意のあるものではなく、むしろ自然な生活の一部のようなもの。飼い主の上を歩いても、危険という意識はないのでしょう。

そこに飼い主がいても、わざわざ遠回りする必要は無いと思っています。

1‐5．高い場所に登りたい

猫が飼い主を踏みつけるのは、「高い場所に登りたい」という欲求もあります。

野生時代の猫は安全で見晴らしの良い高い場所を好み、捕食者から身を守ったり、周囲を監視しますが、イエネコもこの本能は変わることなく残っているのもの。

そして飼い主の体は、そんなオアシス（高い場所）へ移動するための便利な足場になります。

猫にとって「お気に入りの高い場所」に移動できるならば、飼い主の体を踏み台にすることはためらうべき行動ではなく、むしろ自然な行動なのです。

1‐6．飼い主の反応を楽しみたい

猫は非常に好奇心旺盛な動物であり、特に自分の行動が飼い主にどのような影響を与えるのかに興味を持つことがあります。

そのため時には軽い踏みつけや、予想外の場所を踏むことで、飼い主の注目を集め反応を引き出そうとするのです。

最初は優しく踏みつけてても、味を占めるといきなり高所からジャンプしてくる猫もいるのだとか…。飼い主の許容範囲を確かめながら、最終的には当たり前のように飼い主を踏みつけます。

飼い主が驚いたり、笑ったりする様子を見ることで、猫は楽しさを感じているのかもしれません。

1‐7．暖を求めて

猫が飼い主を踏みつける理由の一つに、「暖を求める」があります。

猫は寒さに敏感で、特に寒い季節や冷え込む時間帯には暖かい場所を探して移動しがち。猫がこたつやストーブの前でまったりする様子は、冬の癒しですよね…！

そして人間の体は、猫にとって暖炉のようなもの。自然と引き寄せられ、結果的に飼い主を踏んだり、体に密着したりする行動が見られます。

柔らかく温かい飼い主の体を踏むのは、猫たちとって至福の瞬間なのでしょう。

飼い主の体温を感じ、その温もりに包まれることで安心感と快適さを得ているのかもしれません。

2．まとめ

猫が飼い主を踏みつける行動は、人間からすると無礼にも思えますが、実は深い意味と愛情に満ちた複雑な行動なのです。

踏みつけられて驚くこともあるでしょう、ただそれも愛猫からのメッセージとして受け止めてみてはいかがでしょうか。

個人的には「愛猫が喜んでいるなら全部OK」です。そんな猫好きさんがほとんどかと思いますが…！