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ジャイアンツのマギーがロースター外に。2014年のカムバック賞に続き、再び返り咲くことはできるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター

5月24日、サンフランシスコ・ジャイアンツがケーシー・マギーを40人ロースターから外した。

マギーは2013年に東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーした後、2014年はマイアミ・マーリンズで、打率.287、出塁率.355、4本塁打、29二塁打を記録して、カムバック賞を受賞。オフにマイナーリーガー2人との交換で、ジャイアンツへ移った。今シーズンの成績は、打率.200、出塁率.254、2本塁打、3二塁打。昨シーズンと変わらないのは併殺打の多さくらいで、2014年の31本に続き、2015年の12本も両リーグで最も多い(2015年はアトランタ・ブレーブスのアンドレルトン・シモンズとタイ)。

ジャイアンツはマギーに代えて、マット・ダフィーを正三塁手として起用する予定だ。マギーを外して空いたロースター枠には、AAAからリリーバーのハンター・ストリックランドを昇格させた。マギーはFAになることを選ぶよりも、AAA降格を受け入れるのではないだろうか。トレードで獲得しようとする球団は現れそうにない。マギーの契約は1年480万ドル。現時点では約350万ドルが残っている。

マギーは今後、メジャーリーグへ戻り、そして、活躍できるのだろうか。

カムバック賞は、MLB.comのビート・レポーターにより、各チーム1名の候補者リストのなかから選ばれる。始まったのは10年前の2005年。ア・リーグはジェイソン・ジアンビ、ナ・リーグはケン・グリフィーJr.が受賞した。

マギーのように日本プロ野球からメジャーリーグへ戻った選手はいないが、受賞者のその後はさまざまだ。ジアンビやグリフィーのようなビッグ・ネームの多くは、カムバック賞の翌年以降も活躍した。マギーのチームメイトでは、ティム・ハドソンバスター・ポージーが、それぞれ2010年と2012年にカムバック賞を手にしている。

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同じ年に受賞しながら、その後が対照的だった2人もいる。2007年にカムバック賞に輝いたカルロス・ペーニャドミトリー・ヤング――ボルティモア・オリオールズにいるデルモン・ヤングの兄――だ。2007年に46本塁打を記録したペーニャは、そこから5年続けて28本塁打以上を放ったが、ヤングは故障によって2008年は50試合しか出場できず、これがメジャーリーグの最終シーズンとなった。

ヤングのように、マギーもこのままメジャーリーグから姿を消してもおかしくない。受賞年の31歳という年齢は、ヤング(33歳)とペーニャ(29歳)の間だが、パワーという点では、マギーはペーニャよりもヤングに近い。

だが、投手ではあるものの、なかにはカムバック賞を2度受賞した選手も存在する。2010年に受賞したフランシスコ・リリアーノ(現ピッツバーグ・パイレーツ)は、その後、2年続けて防御率5点台に終わったものの、2013年に再び盛り返してカムバック賞に選ばれた。リリアーノは現在も、ローテーションの一角を担っている。

リリアーノの2度は異例とはいえ、カムバック賞の受賞は、その前にも実績があるということだ。マギーにしても、メジャーリーグで好成績を収めたのは2014年だけではない。2009年は400打席未満で16本塁打と20二塁打を放ち、打率.301と出塁率.360も記録して、新人王投票でナ・リーグ5位に入った。続く2010年は、打率.285、出塁率.337、23本塁打、38二塁打。レギュラーとして恥ずかしくない成績を残した。

史上2人目となる2度目のカムバック賞は難しいかもしれないが、メジャーリーグ復帰やレギュラー返り咲きなら……。その可能性はあるはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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