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『ゴールデンカムイ』はマッチョの博覧会?現役ジムトレーナーが筋肉目線で解説する

まいしろエンタメ分析家
(写真:アフロ)

実写、アニメなど完結後も話題が尽きない人気漫画『ゴールデンカムイ』。

明治末期の北海道・樺太を舞台にした、金塊をめぐるサバイバル・バトル漫画として有名な本作だが、人間離れしたクセのつよいキャラクターもその大きな魅力のひとつである。

今回は、パーソナルジムの店長でありゴールデンカムイのファンでもある野田航平さんに、ゴールデンカムイの「筋肉」について解説してもらった。

筆者作成。以降特記ない限り同。
筆者作成。以降特記ない限り同。

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ゴールデンカムイのキャラは明日にでもマッチョコンテストに出れる

まいしろ(以下まい):今回はゴールデンカムイに登場するキャラクターの筋肉についてお聞きしていきます。

野田:まず、ゴールデンカムイって筋肉がないキャラクターがほとんどいないんですよ。全員、マッチョコンテストの前日みたいな体脂肪率です。

まい:常に仕上がってる状態なんですね

野田:プロのボディビルダーでも、コンテスト前の状態をずっと維持するのはメンタル的にかなり難しいんですよ。

だから、ゴールデンカムイのキャラは全員メンタルがめちゃくちゃ強いと思います

まい:極限の状態でサバイバルしているだけありますね...!

野田:あとは、腹筋の割れ方が本当にきれいですよね。現実の世界だと腹筋の段差がずれていることもあるんですが、ゴールデンカムイの人達はみんな左右対象できれいなシックスパックです。

ここまできれいな腹筋を持っているマッチョは5人に2人ぐらいだと思うので、ゴールデンカムイは本当にマッチョの精鋭がそろっていると思います。

まい:まさにマッチョの博覧会なんですね。それでは具体的にキャラクターを見ていきます。最初は主人公の杉元佐一です。

野田:杉元は(マンガで)軍人になる前の様子も描かれていますよね。それを見ると、軍人になってからありえないぐらいの筋肉をつけたことがわかります。あとは、杉元は食生活もかなりいいんですよね。

まい:作中ではひたすらいろんな動物の脳みそを食べ(させられ)ていた印象がありますが、あれは筋肉的には良い食事だったのでしょうか...?

野田:杉元は山にいる動物をたくさん食べているので、おそらくタンパク質と動物の脂が食事のメインです。しかも加工品もほとんど食べてないんです。

なので、食事の量をおさえたまま良質な栄養だけを取り続けている状態です。

まい:杉元が北海道を離れて東京に住んだりしたら、急に太ることもあるんでしょうか?

野田:かなりあり得ると思います。山の厳しい環境にいるからこそ、限界ぎりぎりのシャープな体型を維持できているのかもしれません。

まい:なるほど!ちなみに杉元が現代にいたら、マッチョのコンテストでいいところまでいくのでしょうか?

野田:杉元はボディビルではなく「フィジーク」という競技に出た方がいいですね。

フィジークはボディビルより「逆三角形の体」「くびれたウエスト」「腹筋」が重視されるので、そちらに出れば杉元ならかなりいい成績を残せるはずです

まい:なるほど!続いては、杉元たちと行動をともにする脱獄王の囚人・白石由竹です。痩せ型でマッチョ枠ではないのですが、一応解説お聞きできればと思います

野田:白石は筋肉ないんですよね...

まい:一刀両断されてしまった...

野田:みんなで温泉に入るエピソードがあるんですが、そのときも白石は一番筋肉があるように見える「盛れ」ポーズをさせてもらっているんです

まい:そんな白石への配慮があったとは...

野田:ただ、筋肉ってありすぎると不便なことがあるんです。「ずっと腕を曲げていると腕がしびれてしまう」というのが典型的な例なんですが、これはゴールデンカムイの他のキャラも絶対に経験していると思います。

なので、肩の高さまで腕をあげて、温泉でのんびりできるのは白石ぐらいだと思いますよ。

提供:イメージマート

このポーズでくつろげるのは白石だけ!

まい:何気ないコマでも、キャラに合わせたポーズが描かれているんですね!

マッチョが多すぎて読者の感覚が狂ってしまう

まい:続いては生真面目なマタギの谷垣源次郎です

野田:谷垣は身長も体重も大きい方なんですが、とにかく大胸筋が大きいです。漫画のどのコマでもけっこう胸に厚みがあるんですよね。

まい:作者の大胸筋へのこだわりを感じます

野田:胸の上あたりに筋繊維がみえているので、相当筋肉量が多いんですよ。体重のわりに筋肉の凹凸がはっきりしているのもすごいです。特注の軍服じゃないと着れないレベルの体格ですね

まい:作中ですと、ぽっちゃりしているという扱いを受けることも多いです

野田:杉元たちに比べるとぽっちゃりですが、実際触ったらめちゃくちゃ固いと思いますよ!

まい:続いては第七師団に属する月島基(つきしまはじめ)です

野田:月島はすごいですよね!体脂肪も一番低くて、3%ぐらいだと思います

まい:絞りきってるんですね!

野田:月島は、杉元や谷垣と比べるとひとつ上のレベルにいるんですよ。トレーニングの量も違うと思います。

まい:特に気になる筋肉はありますか?

野田:背中の筋肉ですね!僧帽筋というところがボコボコしていて、これはかなり鍛えています。現代ボディビルのチャンピオンレベルの背中です。

まい:なるほど!逆に少しすらっとしているのが、同じく第七師団の鯉登音之進(こいとおとのしん)です。

野田:鯉登は、ゴールデンカムイの中だと細いけど、現実にいたら二度見するぐらいのマッチョですよ

まい:マッチョが多すぎて我々読者の感覚がおかしくなってるだけなんですね...

野田:どちらかというとスピードに特化しているので、あまり筋肉をつけない方が彼の強みを活かせていいと思います。

あとは、生活に差し支えないぐらいの筋肉で、すごくちょうどいいと思います。自分は鯉登ぐらいの体型が一番あこがれますね!

キロランケにはInstagramを始めて欲しい

まい:続いては狙撃を得意とする尾形百之助です。

野田:尾形は狙撃手ということもあり、他の人に比べると筋肉のボリュームが少ないですね。ただ、尾形もゴールデンカムイでは細いけど、街中にいたら恐ろしいほどのマッチョです

まい:自分の感覚がどれだけ狂っているのかだんだんわかってきました...

野田:とはいえ、尾形は鯉登と比べても筋肉が少ないです。ただシェイプアップはされていて、背中の「広背筋」という筋肉の線も見えているので、シャープな体ではあります

まい:ゴールデンカムイの中では一番普通の人にも目指しやすい体型かもしれないですね

野田:そうですね。尾形は、マッチョ枠ではない通常のモデルでもいける体型だと思いますよ!

まい:最後は、アイヌの血をひく男・キロランケです。

野田:キロランケは、谷垣と同じくらいの筋肉量がある大柄のマッチョですね。ただ厚みと脂肪が少ないので、谷垣より少し細い印象になっています

まい:「マッチョ」と聞いて、最初に思い浮かべるマッチョの体型をしているように思います

野田:キロランケは一番バランスがいいですよね。キロランケがInstagramを始めたらかなり人気が出ると思いますよ。ゴールデンカムイのキャラの中では、キロランケが一番筋肉インフルエンサーのポテンシャルがあると思います

まい:そんな才能を隠し持っていたとは...

野田:彼は、女性にも男性にも好かれる、理想的な筋肉インフルエンサー系の体型なんですよ!華もあるので、キロランケにはぜひSNSを始めて欲しいですね

日本トップテンに入るマッチョぞろい

まい:最後に、今回取り上げたそれぞれのキャラが、マッチョのコンテストに出たらどうなるかの予想をお聞きしたいです

野田:鯉登・尾形・白石以外は、全員日本コンテストのトップテンいけると思いますよ。部門が違うだけですね

まい:日本のトップテンが北海道に4人もそろってしまっている...

野田:月島は身長が低いのでコンテストでは不利なはずなんですけど、筋密度が高すぎて上位に入っちゃうと思います

まい:こう見ると、全員マッチョに見えて、実はそれぞれちゃんと違いがあるんですね

野田:そうなんですよ。ゴールデンカムイは本当にマッチョが多いので、トレーナーとしてはいくらでも語り尽くせる作品です

まい:大変おもしろかったです。本日はありがとうございました!

エンタメ分析家

エンタメ分析家。データ分析やインタビューを通して、なんでもないことを真剣に調べてみた記事をたくさん書いてます。よく書いているのはエキサイトニュース、デイリーポータルZなど。アート作品のマッスルを延々と解説する初書籍『アート筋トレでスリム美体に!』が発売中。漫画・アニメ・ゲームなどについても書きますが、音楽と映画が特に好き!

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