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レギュラーの外野手と三塁手に先発投手と救援投手をトレードで放出。レイズの大売り出しはまだ続く!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、R.アロザレイナ、I.パレイデス、Y.ディアズ Aug 29, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ここまでのところ、トレード市場において、売り手として最も活発に動いているのは、タンパベイ・レイズだろう。今月下旬に入ってから、外野手のランディ・アロザレイナ(→シアトル・マリナーズ)、先発投手のザック・エフリン(→ボルティモア・オリオールズ)、リリーフ投手のジェイソン・アダム(→サンディエゴ・パドレス)、三塁手のイサック・パレイデス(→シカゴ・カブス)を放出した。

 彼らに先駆け、今月上旬には、先発投手のアーロン・シバーレ(→ミルウォーキー・ブルワーズ)とリリーフ投手のフィル・メイトン(→ニューヨーク・メッツ)も手放している。

 この6人のうち、今オフにFAとなるのは、メイトンしかいない。メイトンにしても、レイズが2月に交わした1年契約には、2025年の球団オプションがついているので、それを行使すれば、来シーズンも保有できた。エフリンとシバーレのFAは来オフ、あとの3人はさらに先だ。

 ただ、エフリンの年俸は、昨シーズンと今シーズンの1100万ドルから、来シーズンは1800万ドルに増える。また、メイトンとエフリン以外の4人は、年俸調停の申請権を持っている。いずれも、今オフは2度目以降だ。

 こうしたことからすると、デッドライン後もレイズにいることが確定しているのは、今オフに年俸調停の申請権を持っていないか、初めて申請権を得る選手に限られる気もする。他球団の需要を踏まえると、移籍の可能性が高いのは、クローザーのピート・フェアバンクス、一塁手のヤンディ・ディアズ、先発投手のザック・リテルあたりではないだろうか。

 もちろん、求めている見返りを得られなければ、レイズが放出することはないだろう。基本的には来シーズンも必要と考えていて、交換条件のハードルを高く設定している選手もいるはずだ。レイズは、解体&再建を始めるわけではない。

 ちなみに、今シーズンも、ポストシーズン進出の望みはある。現在、ワイルドカードの3番手との差は、3.0ゲームだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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