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パッキャオvsカーン消滅か?

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
闘うモチベーションは高いが、Pacmanも既に38歳(写真:ロイター/アフロ)

マニー・パッキャオの次戦だが、アミール・カーンではなく、オーストラリア人のジェフ・ホーンが有力だそうだ。パッキャオのプロモーター、ボブ・アラムが「今回、パッキャオvsカーン戦は潰えた」とアナウンスした。が、同カードは11月に実現の可能性が残っているらしい。

PACMANは依然としてボクシング界の主役だ。その闘いぶりには、私自身、何度も胸を熱くさせられている。が、彼も38歳。いかに闘争本能と高い技術を持ち合わせていても、蓄積されたダメージが心配される。

最近、胸を痛めるのはテリー・ノリスのニュースだ。現役引退直後から、呂律が回らなくなり、今はパーキンソン病に苦しんでいる。ノリスは技巧派で、あまり打たれるタイプではなかった。それなのに…。

パックマンの、絶対に前に出る闘いぶりに不安を覚えるのは私だけだろうか。プロモーターはとにかく、カネになるカードを組み続ける。しかし、動けなくなったらファイターはそれっきりなのだ。

ボクサーってのはな、競走馬と一緒さ。勝てば首にリボンを巻いてもらえるけれど、用済みになったら撃ち殺されて終わるんだ。

元世界ヘビー級チャンプ、ティム・ウィザスプーンは、引退間近にそう言った。

長くボクシングを取材し、私の体に刻まれている一言である。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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