死者1,000人を出した「イダイ」から一か月 アフリカ南部に再びサイクロン上陸か
今年3月サイクロン・イダイが直撃し、死者1,000人を超す歴史的大災害が起きたアフリカ南東部に、再びサイクロンが上陸する可能性が高まっています。
ケネスの現況と予想
現地時間23日、ケネスがマダガスカルの北の海上で発生しました。24日未明におけるケネスの最大風速は28メートル、中心気圧は990hPaで、サイクロンよりも一段階弱い「シビアトロピカルストーム」の勢力です。
フランス気象局の予想によると、ケネスはサイクロンへと発達し、25日夜にもモザンビーク北部周辺に上陸する見込みです。
上陸時に予想される最大風速は60メートル、総降水量は多いところ800mm超に達するおそれも出ています。
今季は史上最多のサイクロン
現在、南西インド洋にはケネスの他にローナも発生しています。同海域の今サイクロンシーズンは例年よりも活発で、これまでに9つの強烈な(Intense)勢力のサイクロンが発生、史上最多を記録しています。
イダイに続き…
今季、南西インド洋で発生したサイクロンの中で最も強かったのが、昨月モザンビーク南部に上陸したイダイでした。
イダイは中心気圧955hPaの強さで、3月14日にモザンビーク南部の都市ベイラに上陸しました。
ベイラは町の90%が壊滅的な被害を受け、モザンビーク全体では600人以上が死亡し、185万人が被災したと伝えられています。また収穫期目前に洪水が起きたため、穀物の生産量も例年の半分となったようです。加えてコレラやマラリアなどの伝染病も蔓延し、二次災害が広がっています。
イダイは、隣国のマラウィ、ジンバブエや南アフリカなどといった国にも被害をもたらしました。アフリカ全体の死者数は1,000人以上にのぼり、南半球史上3番目に多くの死者数を出したサイクロンとも言われています。
ケネスはイダイよりも北寄りの進路をとるために、ベイラなどモザンビーク南部からはそれるもようですが、それでも一時的な大雨や高潮などの影響は免れられず、被害が拡大するおそれがあります。
(↑サイクロン・イダイによる被害映像)