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10歳未満の子供がインターネットの操作の時、子供だけですることはある?

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 子供だけのインターネット操作。できれば親の目から離れて、との気持ちはわかるが(ペイレスイメージズ/アフロ)

インターネットは非常に便宜性の高いツールだが、同時に大変危うい存在でもある。ルールや倫理観、常識などを知らずに操作すると、さまざまな罠にかかったり、誘惑に惑わされる。インターネットを操作する子供達は、果たして保護者の監視の下で行っているのだろうか。その実情を内閣府が2017年5月に発表した「低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査」(※)の結果から確認する。

調査対象母集団が該当機種においてインターネットを利用している率は次の通り。

↑ 該当機種でインターネットを利用しているか(2017年1月、0~9歳、全体比)
↑ 該当機種でインターネットを利用しているか(2017年1月、0~9歳、全体比)

それではそれらの機種でインターネットを利用する際に、子供だけで利用するケースはあるのだろうか。倫理観やネット上のリスクを十分に把握していない、教え聞かされていても目の前の誘惑に負けてしまう可能性が多分にある子供が、保護者の監視下にない状態でインターネットを利用するのは、例えフィルタリングなどの対応策が施されていたとしても、危険な状態との判断もできるのだが。

↑ 該当機種のインターネット操作を子供一人ですることがあるか(2017年1月、0~9歳、該当機種でインターネット利用者限定)
↑ 該当機種のインターネット操作を子供一人ですることがあるか(2017年1月、0~9歳、該当機種でインターネット利用者限定)

契約切れのスマートフォンやゲーム機、タブレット型端末のようなハード的にリスクが低め、あるいはフィルタリングが容易にできる端末では7割から8割が「子供一人でインターネットの操作をすることがある」と回答している。「インターネットを使う時はいつでも」ではなく「一人で操作することもある」なので、その頻度までは把握できないものの、リスクが高い状況には違いない。もっとも利用する子供自身にとっては、保護者の監視下での操作は色々と気遣いをしなければならないし、プライバシーの観点で避けたいとの気持ちを持つのも理解はできるのだが。

インターネット接続型テレビやパソコン各種では5割前後とやや低め。しかし見方を変えれば二人に一人程度は「子供だけでネット操作をすることがある」と回答していることになる。

これを子供の年齢階層別に細分化した上でグラフ化したのが次の図。ただし、各端末の回答対象者(インターネット利用者)そのものが少ないため、そこからさらに年齢で仕切り分けしたことから、多分にぶれが発生してしまい、規則性の類が見いだせない結果となってしまった。

↑ 該当機種のインターネット操作を子供一人ですることがあるか(2017年1月、0~9歳、該当機種でインターネット利用者限定)(年齢階層別)
↑ 該当機種のインターネット操作を子供一人ですることがあるか(2017年1月、0~9歳、該当機種でインターネット利用者限定)(年齢階層別)

かろうじて回答数が多いスマートフォンにおいて、低年齢では低い=一人操作の割合が小さい、年上になると高い=一人操作の割合が大きい結果が見いだせる程度。タブレット型端末もほぼそれに近い傾向が見受けられる。

ごく幼い子供は興味関心のあるものを片っ端から口にしたり、何かを差し込もうとする。誤飲やコンセントでのトラブルはよく聞く話。それと同じような危険性がインターネットの利用にあると考えれば、決まりごとや危険性を把握しきれていない、危険行為の実情を理解していない時点では、子供一人で操作をさせるのは考えものではあるのだが。

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※低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査

2017年1月1日時点で日本全国の0歳から9歳の子供を有する保護者を対象に、同年1月12日から1月30日にかけて行われたもので、保護者による子供の実情などを問う形となっている。調査標本数は2000人、有効回答数は1550人。調査方法は原則調査員による訪問配布・訪問回収法だが、訪問時間などの調整ができない場合に限り、ウェブ調査法や郵送回収法が併用されている(それぞれ11人、26人が該当)。標本抽出方法は層化二段無作為抽出法。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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