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定額減税が6月スタート 私たちは何をすればよいのか?その思いに便乗する詐欺に注意! #専門家のまとめ

多田文明詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト
(写真:西村尚己/アフロ)

2024年6月より「令和6年度の税制改正」による定額減税が始まりました。給与所得者や個人事業主などの方で納税している対象が所得税と住民税を合わせて4万円が減税されます。何か手続きは必要なのでしょうか?結論からいえば、多くの方々は特に手続きをする必要がありません。ただし、個人事業主の方は所得税に関して確定申告時などには手続きは必要になるかと思います。

詐欺を行う者たちは、充分な理解をしていない新しい制度に便乗してやってきます。今後、偽の税務署職員が「定額減税をするためには手続きが必要」といって電話やメール、メッセージをしてくる恐れがあります。

ココがポイント

▼「定額減税の関係で還付を受けられる」といって、銀行口座情報の聞き出しやATMに誘導して操作させる手口には注意を要します。

定額減税や給付金をかたった不審な電話、ショートメッセージやメールにご注意ください(国税庁)

▼定額減税が始まる前月、税務署をかたる人物から「お金が戻る」という詐欺の電話がかかり、被害も出ています。

“定額減税の還付金”うその電話で300万円だまし取られる被害(NHK)

▼全国で定額減税に便乗した詐欺電話がかかってきています。「定額減税のパンフレットを送りました」の手口には注意を要します。

定額減税に便乗した詐欺電話、広島県内で初確認 広島県警が注意呼びかけ(中国新聞)

▼今年3月の確定申告の時期には、すでに「令和6年度の税制改正」をうたっての国税庁をかたる詐欺メールも届いています。

確定申告の時期だから?「税務署からのお知らせ」の偽メールが再び クリックすると簡単入力させる狙いも(Yahoo!ニュース エキスパート 多田文明)

エキスパートの補足・見解

「令和6年度の税制改正」をうたう、国税庁をかたる偽メールではURLを載せていますが、最近はQRコードを読み取らせて偽サイトに誘導して個人情報などを盗む手口も出ているとの報道もありますので、注意が必要です。

国税庁の注意喚起では「e-Tax(国税電子申告・納税システム)から送信するメールには、原則としてURLを記載しておりません」としています。これが本当ならとても有益です。

ただ、私のところに3月に送られてきたe-Taxからの正規のメールにはURLは載っています。4月以降、載せないことにしたのでしょうか?それともこのメール自体が原則外だったのでしょうか。国民を混乱させて詐欺被害に遭わせないためにも、この辺りの説明も必要です。

詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)

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