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まずは無観客試合でスポーツ再開へ! トランプ大統領が新型コロナ対策の最高責任者に同意

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
スポーツイベントの再開を望んでいるトランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)

【トランプ大統領が無観客試合について言及】

 ドナルド・トランプ大統領が現地時間の4月16日に開かれた記者会見で、スポーツイベントの再開について聞かれ、当面は多くのリーグが無観客試合で実施されるとの見通しを明らかにした。

 つい先日、新型コロナウイルス対策で政府最高責任者を務める国立アレルギー感染症研究所所長のアンソニー・ファウチ博士が、スポーツイベント実施について特定した場所での無観客試合を提唱しており、今回の発言はファウチ博士に追随するかたちになった。

【まずは無観客試合をTV中継】

 大統領のスポーツイベント再開に関する発言部分は、ロサンゼルスタイムズ紙の記者がツイッターに投稿している。

 記者会見でのトランプ大統領の発言は以下のようなものだ。

 「多くのリーグがファン無しでスタートすることになるだろう。そして試合はTVで中継されることになる。古きよき時代のようにTVで観戦することになる。

 そうしてシーズンを続けながら、ファンを会場に迎えられるようにしていく。ただ(最初は)席を空けてファン同士の間隔をつくるような措置を講じることになるかもしれない。そして最終的には会場を満員にしたい。

 ウイルスが去れば、再び会場を満員にすることができ、以前のようなスポーツを楽しむ環境になるだろう。ウイルスが去りその時が訪れれば、我々は再び通常に戻るだろう」

 ファウチ博士のように開催場所の特定については発言していないが、大統領が無観客試合について言及したことで、9月に通常開催を目指しているNFLなどは対応が求められることになった。

【主要リーグ首脳と再度意見交換】

 トランプ大統領は4月4日に、主要リーグ首脳を集め電話会談を行っていたが、改めて15日に会談を実施し、各リーグからそれぞれの意見を確認したようだ。

 大統領は、米国が新型コロナウイルスのパンデミックから立ち直るためにもスポーツイベントの再開を強く希望しており、今後も首脳たちと協議を続けていくことになりそうだ。

 今回の大統領の発言内容からも理解できるように、新型コロナウイルスの完全な沈静化を待たずにスポーツイベントを再開したいという思いが滲み出ている。

 ただカリフォルニア州のギャビン・ニューソン知事は、今も州内でのスポーツイベント開催に厳しい見方を示しており、トランプ大統領と各州政府の考え方に隔たりがある。

 スポーツイベント再開に向け、まだまだ先が見通せない状況に変わりはない。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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