未来のfacebookはソーシャルVR空間となる?
KNNポール神田です!
サンフランシスコでは、f8カンファレンスが開催されている。
facebook f8基調講演
https://developers.facebook.com/videos/f8-2016/keynote/
材料費だけで約325万円もするオープンソースシステム。それで作られる8K VRシステムが、facebookプラットフォームで提供される。
特筆すべきトピックは、なんといっても、テキストから写真、写真からビデオ、ビデオから、VRやARへと拡張していくfacebookの世界観である。まずは、そのための開発者用キットの提供と、facebook傘下の企業であるOculus Rift社のヘッドマウントディスプレイの拡張であるTouchシステムが発表された。VRの世界に「擬似触覚」を導入する。
また、実用レベルでは、メッセンジャーでEC機能が提供され、オーダーが可能となる。また同時にAI機能で顧客と商店が会話するということで、広告以外の手数料ビジネスも視野に入れている点が気になった。
さらに、ニュース記事に質問するとAIが該当記事をレコメンドするなども可能となる。これは単なるデータのアーカイブだけではなく、AI化してアーカイブすることによって、単なる検索マッチングだけでなく、知りたい情報のディープラーニングによって、検索する真意を理解しようとしていることになるようだ。
□メッセンジャーでEC AI人工知能による接客サービスなど
□オキュラスリスフト タッチ Oculus Rift Touch で擬似触覚 ※ただしケーブルあり
□VR向け360度立体カメラシステム Surround 360の開発とオープンソース化※材料費は約3万ドル
□ソーシャルVR ARとVRによる新たなソーシャルV空間
facebook今後10年間のロードマップ
facebookというSNSの機能から、パーソナルなMessengerから、世界の今を#ハッシュタグで画像検索できるinstagramにいたるまで、その個人から世界に至るまで広がるプラットフォームに、AI人工知能とVR&ARという新たな技術側面で開発者をサポートするというのがfacebookの今後のロードマップという発表であった。
しかし、どこか、昔のMicrosoftのビル・ゲイツ氏のCOMDEXの基調講演を聞いているような錯覚を筆者は感じた。それは何よりも、技術が先にあり、具体的なヴィジョンがどこにも感じられないところかもしれない。f8カンファレンスは開発者会議だからそれでよいのかもしれないのかもしれないが、かつてのAppleのWWDCでは、めざすべき未来のヴィジョンが明確に先導されていた。
facebookでさえも、これからの10年先の希望はあるが、こうしていくんだという未来への使命感は意外にも稀有なのかもしれない。VRやARの進化がいつまでたっても、あの『目を覆われた水中メガネ』で飯櫃なコントローラーを持ち、ウロウロされる未来の社会はキモいだけである。何よりも、ザッカーバーグ氏のファッションセンスの灰色の服で、一生未来を一緒に過ごすのはごめんこうむりたいと思う。