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東京都心は3日連続で25度未満 9月のスタートは87年ぶりの低温に

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
3日(金)午前11時までの最高気温(ウェザーマップ)

9月とともに季節が激変

関東地方の最高気温(ウェザーマップ)
関東地方の最高気温(ウェザーマップ)

8月から9月になった途端の低温ぶりに戸惑っている方も多いのではないでしょうか。突然やってきた低温に体調管理など、十分ご注意下さい。

上図に示した通り、3日前8月31日(火)の関東地方は、まだ広く30度以上の厳しい残暑が続いている状態で、東京都心は32.4度と2週間連続の真夏日となっていました。

ところがおととい9月1日(水)に月替わりした途端、冷たい空気と雨で一気に気温が下がり、ほとんどの所で、最高気温が25度未満の10月上旬から中旬並みの肌寒さとなりました。

きのう2日(木)はさらに気温が低空飛行となり、東京都心の最高気温は20.6度止まりで、これはこの日の最低気温の平年値22.5度よりも低く、10月下旬並みのまさに季節外れの肌寒さとなりました。

そしてタイトル画像にある通り、きょう3日(金)も肌寒さが続いており、午前11時までの最高気温は20度前後の所が多く、おそらく午後にかけてもこのような状態で推移するものと思われます。

東京都心の最高気温もせいぜい22度程度(10月中旬並み)と予想されており、これで9月がスタートしてから3日連続で夏日にもならない25度未満の低温が続くことになりそうです。

実はこの記録、非常に珍しいもので、1934年以来87年ぶりのことになるのです。

1934年以来87年ぶりの低温記録

東京都心の気温(気象庁発表に筆者加工あり)
東京都心の気温(気象庁発表に筆者加工あり)

東京都心の9月1日の最高気温の平年値は30.0度ということからも分かる通り、9月初めというのはまだまだ真夏の名残で真夏日になることも多く、25度未満になることはまだそれほど多くありません。

では今年のように東京都心で9月1日から最高気温25度未満が続いた記録はどれくらいあるのか調べてみました。

すると、観測のある1875年以降で、2日以上続いたことはわずかに7回しかなく、そのうち3日以上続いたのは2回のみでした。(1955年2日1945年2日1935年2日1934年6日1908年9日1885年2日1878年2日

ですから、きょう3日(金)も東京都心の最高気温が25度に届かなければ、9月1日から3日連続での25度未満となり、これは1934年6日連続以来、87年ぶりの記録ということが言えるかと思います。

もちろん、気温の取り方は様々あるので、あくまでも9月がスタートしてからの毎日の最高気温という限定です。

いつまで低温は続く?

東京都心の予想最高気温(ウェザーマップ)
東京都心の予想最高気温(ウェザーマップ)

関東地方で顕著な低温となっているのは後述する秋雨前線と北から張り出しているオホーツク海高気圧からの冷涼な北寄りの風によるものです。

ウェザーマップが発表している東京都心の最高気温をみると、この先は顕著な低温傾向は徐々に解消し、25度くらいまで上がる日が多くなる予想です。

ところが、9月に入ってからの実際の気温はコンピュータの計算よりもずっと低めに推移しており、もし予想幅の低い方で推移すると、来週7日(火)頃までは25度未満が続く可能性があります。

もしそうなれば、上述した1934年6日連続の記録よりさらに長くなり、1908年に記録した最長記録9日連続以来、113年ぶりの記録ということにもなりますが、果たしてどうなるでしょうか。

低温の原因は秋雨前線とオホーツク海高気圧

実況天気図(ウェザーマップ)
実況天気図(ウェザーマップ)

関東地方で顕著な低温となっているのは、本州付近に停滞している秋雨前線の影響で、雨が降っていることに加え、北海道の北で発達しているオホーツク海高気圧から冷涼な北寄りの風が吹き込んでいるためです。

この状態は来週の週明けまでは続く見込みで、特に関東地方では10月並みの低温が続く可能性があります。

ただ来週の後半になると、秋雨前線やオホーツク海高気圧は解消する見込みで、一時的ですが、東京都心を含めて、真夏日が復活する可能性もありそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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