『#SWIFT』を利用せずに送金手数料を無料で海外送金することができる『#WISE』を活用しよう
KNNポール神田です。
ロシアの銀行が『SWIFT(スイフト)』から締め出されることとなった。これほどまでに、日本でこの『SWIFT』が話題になったことはないのではないだろうか?
■SWIFTとは、(国際銀行間通信協会)
SWIFT(国際銀行間通信協会)の略:Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication
世界の銀行間の通信協会で、『SWIFTコード』というコードを使って、送金を可能にするネットワークだ。つまり国内銀行でも『銀行コード』があることにより、他行あての振り込みが可能となる。
日本の銀行も…SWIFTコードを持っている。海外送金や着金をするとなるとこれらのコードが必要だ。 このSWIFTコードがないと、海外からの送金が受け付けれられないからだ。
0001 みずほ銀行 MHCBJPJT
0005 三菱UFJ銀行 MUFG Bank, LTD. BOTKJPJT
0009 三井住友銀行 SMBCJPJT
0010 りそな銀行 DIWAJPJT
0017 埼玉りそな銀行 SAIBJPJT
0035 ソニー銀行 SNYBJPJT
0036 楽天銀行 RAKTJPJT
0038 住信SBIネット銀行 NTSSJPJT
0039 じぶん銀行 JICRJPJ1
0041 大和ネクスト銀行 DNEXJPJT
しかし、『SWIFT』を利用した海外送金となると、振り込み手数料以外の、海外送金手数料などをあわせると手数料だけでも3,000円近く手数料がかかり、さらに着金までに1週間近くの時間がかかっていた。
まあ、『海外送金』とするとそんなものとするところに、ユニークなビジネスで2011年に、参入したベンチャーがある。それが、『WISE.com』だ。
■画期的な『Wise(ワイズ)』のビジネスモデル
https://wise.com/ ※日本語対応
『WISE(元transferwiseトランスファーワイズ)』は、元Skype社員らが考えた、新たな金融サービス。
海外送金サービスのはずなのに、実際には、送金はしていないから、早く、安く、すべてオンラインを実現している。一度利用すると、『SWIFT』を利用した送金はやりたくなくなってしまった。
今まで、『SWIFT』を利用して、平日の16時までに『郵便局』にわざわざ出向いて多額の手数料や1週間もの時間がすべて無駄だったと思った。
Wiseの口座開設にも、最初は銀行などでの本人確認などが必要だ。
■エストニアのSkype社員が作った画期的なサービス
Wise社の代表取締役で創業者のターベット・ヒンリクスさんが、エストニアの会社Skypeで働いていた頃、給料はユーロで支払われていたが、ロンドンに住んでいた。ロンドンはポンドを使うので生活するにはユーロをポンドに両替しなければならない。その度に海外為替レートで両替し、さらに手数料ひかれてユーロをポンドに替えていました。そう、外貨はそうやって必ず目減りしたり、レートによって損をしたり、しかも時間がとてもかかります。
一方、TransferWise社の執行役員のクリスト・カーマンさんは、ロンドンで働いていましたが、エストニアでユーロ支払いの住宅ローンを持っていました。ポンドをもらってお金をユーロで払う必要があります。そこで彼らは単純なスキームを考案しました!
方法は簡単!『俺たちのそれぞれのお金を、海をわざわざ、超えさせるのではなく、同じ額になるようにして、それぞれの国の通貨で支払えばよくね???』というものだった。
毎月、支払日の、その時の為替レートをロイターのサイトで確認し、ユーロとポンドの適正な為替レートで、お互いの支払いを、それぞれの国で行っただけです。
■『WISE』は江戸時代の三井の越後屋ビジネスモデルだった
日本でもかつて、1673年に三井家の『越後屋(現:三越)』の『三井高利(たかとし)』が52歳の頃、現金掛け値なしの呉服屋を営み大成功を収め、1683年には『両替商』を開始する。江戸の両替商と仕入先の京都の両替商を開き、江戸・大阪間に為替業務を開設し、幕府の御用為替方となった。
つまり、実際に現金を動かすのは決済の時だけでよく、その間は立替で帳簿上現地で決済できればよかったのだ。まさに名簿をつきあわせて、ここに資金を搬送しあう『SWIFT』ではなく、ローカル国での決済システム『WISE』そのものだった。
□当時、上方は銀建て、江戸は金建てであったので、仕入れが行われる上方へその代金を送金する江戸では、貨幣相場や為替の動きを注視する必要があった。また、幕府は西日本の直轄領から取れる年貢米や重要産物を大阪で販売して現金に換え、それを江戸へ現金輸送していた。
しかし、正貨輸送は労賃がかかるほか、危険の多い不便なものであったため、これに代わる方法として、高利が幕府に為替の仕組みを献策したのである。
□この『公金為替』は幕府の大阪御用金蔵から公金を受け取り、これを60日~150日後に江戸城に収めるもので、三井では大阪で委託された額を越後屋の売り上げから収めた。
https://www.mitsuipr.com/history/edo/03/
■『WISE』と『SWIFT』との差は圧倒的な安さとスピード
ワイズペイメンツジャパン株式会社は、資金事業移動業者として、関東財務局長 第00040号 に登録されている。
https://wise.com/jp/multi-currency-account/
日本国内でも、2022年『全銀システム』がフィンテック企業に開放されれば、もっと、助成金や補助金、寄付金なども目減りが最低限で取引できることだろう。
|■ウクライナへ寄付をするなら個人間でも可能な時代だ
ウクライナへの寄付を求める団体もいろいろある。日本でまとめて、SWIFT経由での銀行から現地の団体へ贈るというものが多い。しかし、それらが、実際に被害にあわれた方々へ届くのは、ざっと考えてみても半年後となることだろう。
いや、半年後に個人が10万円もらうよりも、今、すぐに1万円をもらえたほうが被災された人には助かると思う。将来価値と現在価値の比較はファイナンスでも当然だ。できれば現在価値で目減りしない困窮している時期に迅速に届けるべきなのである。
筆者も1995年の阪神大震災の時に被災した経験があるが、義援金が届いたのは、すでに困窮が終わってからの半年後であったことに、とても苦渋の想いだった。
今やSNSで現地の被災した人の個人からの情報も届く時代だ。しかし、WISEといえどもWISEの口座を持っていることが前提だ。
ウクライナの被災した人と直接、『WISE』のような海外送金で、手数料のような空気抵抗をできるだけ少なく迅速に渡せれば、寄付の行為はもっとスマートで感謝されることになることだろう。
寄付をして終わりではなく、寄付が届けれられ、活用されて初めて寄付行為は成功といえる。寄付団体で手数料率を明記しているところはあまり多くはない。