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【葛飾区】輝くカワセミ、鮮やかな冬鳥、多彩なカモが見やすい!冬の水元公園はバードウォッチング天国

ASA24ライター/英和・和英翻訳者(東京都葛飾区)

豊かな水郷景観を誇る水元公園は、冬枯れの季節を迎えています。しかし冬の園内は、実は多くのバードウォッチャーでアツい!水辺には冬鳥が集まり、葉が落ちた木に止まる小鳥たちの姿も見やすい時期なのです。気軽に散策しながら人気の鳥を見られる、最近のおすすめスポットをご紹介します。

水路がはりめぐらされた水元公園
水路がはりめぐらされた水元公園

1. 人気のカワセミや大きなアオサギが現れる水路

メインゲートから「噴水広場」へ続く階段を降りて、左にのびるポプラ並木の遊歩道をしばらく進むと、右手に水路がのびています。この一帯はカワセミが現れることで野鳥愛好家に人気の場所。水の上に張り出した木の枝や、水際の杭に止まって、魚を獲るために水面をじっと見つめるカワセミが見られます。
冬は水路沿いの木々が落葉し、裸木に止まるカワセミを見つけやすいのがポイント。鮮やかな青い羽を持つカワセミが、瞬時に水に飛び込み魚を捕らえる様子は、一見の価値があります。青い閃光が目に焼き付きますよ。

水路の杭に止まるメスのカワセミ
水路の杭に止まるメスのカワセミ

上の写真はメスのカワセミ。カワセミは体に比して大きなクチバシが可愛いのですが、メスは下のクチバシが赤色なのが特徴です。口紅みたいでおしゃれですね。この水路にはオスのカワセミも現れます。オスのクチバシは上下とも黒。見つけたらチェックしてみてください。

水面に張り出した枝に止まるオスのカワセミ
水面に張り出した枝に止まるオスのカワセミ

体長約90cmもあるアオサギも、この水路によく出没します。青灰色の羽が美しく、水路の魚をじっと待ち伏せする姿には貫禄が漂います。狩りの場所を決めたらあまり動かないため、観察しやすいのがポイント。肉眼でもすぐ見つかります。

水路の岸辺に降り立ったアオサギ。迫力!
水路の岸辺に降り立ったアオサギ。迫力!

2. 湿地帯(ガマ田)のアカハラやツグミ

水路に架かる小さな橋を渡ると、半湿地の草原(通称ガマ田)が広がっています。夏には青々とした草地だったこの場所は、冬になると湿った土壌が現れ、立ったまま枯れているヨシの間でエサを探す鳥の姿が見やすくなります。モズ、シジュウカラ、アカハラ、ツグミ、セグロセキレイ…などなど、様々な鳥をみつけられるエリアです。

水路と小合溜の間に広がるガマ田
水路と小合溜の間に広がるガマ田

ガマ田の木に止まるアカハラのオス
ガマ田の木に止まるアカハラのオス

ガマ田でときおり見られるアカハラは、冬になると関東以南の低地へ移動し、林などで越冬する鳥です。胸と腹部の側面が赤みがかったオレンジ色で、木の上にいる時も目立ち度抜群。この赤っぽいお腹が名前の由来になっています。アカハラは落ち葉をかきわけてエサを探すことも多いので「カサカサ…」と音がしたら地面に注目してみてください。

地面でエサを探すアカハラのメス
地面でエサを探すアカハラのメス

ツグミもガマ田でよく見られる冬鳥。秋になるとシベリアから渡ってきます。オレンジ色の羽と、数歩移動しては立ち止まり、ちらっと後ろを振り返る仕草が愛らしく、バードウォッチャーの人気を集めています。まるで「だるまさんが転んだ」をしているような動作です。

立ち止まるツグミ
立ち止まるツグミ

ガマ田の土手によく現れるセグロセキレイは、黒と白の配色が端正な水辺に棲む鳥。実は日本固有種です!
街中でもしばしば見かけるハクセキレイに一見似ていますが、ハクセキレイの背中の冬羽が灰色なのに対して、セグロセキレイの背中はまっ黒。また、ハクセキレイは頬の部分が白ですが、セグロセキレイは目から頬にかけて黒い色が繋がっています。白と黒のバランスが良く、シックな印象の鳥です。

ガマ田の土手(左)と湿地(右)を歩くセグロセキレイ
ガマ田の土手(左)と湿地(右)を歩くセグロセキレイ

3. 冬鳥のカモでにぎわう小合溜、陸を歩く集団は迫力!

ガマ田の東には、青い水を湛えた小合溜が広がっています。こちらはシベリアなどのユーラシア大陸北部から、越冬のために渡ってきたカモたちでいっぱい。冬ならではのにぎやかな光景に和みます。

キンクロハジロとホシハジロが一緒に浮かぶ小合溜
キンクロハジロとホシハジロが一緒に浮かぶ小合溜

キンクロハジロホシハジロは、岸から遠い水面で一緒に浮かんでいることが多いカモ。ともに潜水してエサを採ります。水に浮いている時はクチバシを羽毛の中に突っ込んで顔が見えないことが多いですが、キンクロハジロのオスは目が金色で、頭や背中の羽が黒く、翼の部分に白い帯が入るのが特徴。ホシハジロのオスは目が赤く、赤茶色の頭と黒い胸を持ち、体の側面の羽は白です。

赤い目のホシハジロ(左、中央)。右はキンクロハジロ
赤い目のホシハジロ(左、中央)。右はキンクロハジロ

小合溜ではヒドリガモも目立ちます。オスは頭部が明るい赤褐色で、額の部分が白。クチバシが短めで全体的にまるっこく、「ピューイ」という鳴き声も愛らしいカモです。
ヒドリガモは岸に上がって、陸地の植物を食べることもあります。数十羽で隊列を組み、小合溜の西に広がる草地で食事をする様子は圧巻。水に浮いている時は見えにくい、風切羽なども近くで見ることができますよ。

小合溜の岸で草をついばむヒドリガモの群れ
小合溜の岸で草をついばむヒドリガモの群れ

3. 白いサギが舞う睡蓮池や水生植物園

小合溜に架かる水元大橋を南へ渡ると、花菖蒲園のエリアがあります。野外ステージが立つ広場の奥にある睡蓮池は、ダイサギコサギが狩りをしている姿が良く見られる場所。冬枯れた睡蓮池は見通しがよく、真っ白な羽を持つダイサギやコサギをじっくり眺めることができます。体長が90cmもあるダイサギが、水中の魚などを探す様子は迫力。ゆっくり歩く姿に風格を感じます。

睡蓮池
睡蓮池

狩りをするダイサギ
狩りをするダイサギ

園内の北東部にある水生植物園の一帯も、ダイサギやコサギがいることが多いエリアです。小島を備えた水生植物園の池は、カルガモやオオバンも見られる場所。園内中心部に比べて訪れる人が少ないため、ゆっくり鳥たちを観察できるのがポイントです。池の西隣にある菖蒲田の水路でも、しばしばコサギの姿が見られます。

水生植物園の池の上を飛ぶダイサギ
水生植物園の池の上を飛ぶダイサギ

水生植物園の横にある菖蒲田の水路で狩りをするコサギ
水生植物園の横にある菖蒲田の水路で狩りをするコサギ

数々の美しい野鳥が見られる水元公園は、冬も魅力的な場所です。鳥を見つけたら、おどかさないようにそっと観察してみてくださいね。万全な防寒対策もお忘れなく。

名称: 都立水元公園
所在地: 東京都葛飾区水元公園
開園時間: 常時開園
入園料: 無料
アクセス: JR常磐線・東京メトロ千代田線 金町駅から京成バス 戸ヶ崎操車場行き(金61)または西水元三丁目行き(金62)で「水元公園」下車、徒歩約7分
水元公園HP: https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index041.html

ライター/英和・和英翻訳者(東京都葛飾区)

出版社に11年勤務後、2009年にシンガポールに転居。東南アジアの文化と料理にハマる。2013年に帰国した後は日本文化に改めて関心を深め、今は東京の下町情緒が大好き。葛飾区の素敵なところをどんどん広めたいです。

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