中東の政治に神が降り立った週(2)
それではアラブ世界は、この歴史的な敗北に、どう向き合ったのだろうか。一つの対応はパレスチナ・ゲリラの台頭であった。エジプトのナセル大統領がイスラエルを打ち破ってパレスチナを解放してくれる。多くのパレスチナ人の期待であった。しかし、この敗北によってナセルの星が堕(お)ちた。故郷を取り戻すために、パレスチナ人は自ら戦うしかないとの覚悟を固めた。ヤーセル・アラファトに代表されるパレスチナ・ゲリラの活動が、その後の中東を揺さぶることになる。このアラファトの組織が現在のパレスチナ暫定自治政府に引き継がれている。
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