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なぜ「熱男リレー」を始めたのか。ホークス松田が想いを語る

田尻耕太郎スポーツライター
ホークスの松田宣浩内野手(2020年2月・筆者撮影)

 熱男リレーが絶賛拡大中だ。

 福岡ソフトバンクホークスの松田宣浩内野手が自身のインスタグラムで「大変な時期ですが、ここは力を合わせて乗り越えていきましょう」というメッセージを発信した際にお馴染みの本塁打パフォーマンス「熱男~!」を披露してコメントを締めくくったかと思えば、「次はアナタです」とリレーを発案。「#ひとつになって乗り越えよう」というハッシュタグを書き添えた。

 これがものすごい勢いで広がっている。その日のうちに内川聖一がバトンを受け取り、その後も柳田悠岐や今宮健太、東浜巨らチームメイトたちがすぐさま反応。自身のSNSで動画発信するとともに引き継ぐ選手のアカウントを記載すると、あっという間に波及していった。

 球団の枠を超えて阪神の糸井嘉男や西武の山川穂高、日本ハムの杉谷拳士ら多数も参加。そして内川からの指名で浦和レッズの槙野智章も「熱男」を咆哮すると、そこからリレーしたラグビーの中島イシレリも叫ぶなど他競技にもつながった。

 さらに、ホークス和田毅がタレントの武井壮を指名したことで芸能界へ。指原莉乃やお笑いコンビ・ブラックマヨネーズの小杉竜一、神スイングの稲村亜美やフジテレビの宮司愛海アナウンサーもそれぞれの「熱男~!」で盛り上げに一役買っている。

 一般ファンのあいだにも広く浸透しているようで、「#熱男リレー」で検索をかけると、数百の動画が次々と上がってきた。

 この熱男の輪は、まだまだ大きく育っていきそうだ。

 そして15日、球団が設定したオンライン取材に松田宣が登場。もちろん、熱男リレーに関する質問が飛んだ。

――熱男リレーのこの広がりというのは想像していましたか?

松田「展開とか、そういったことは僕は想像してませんでした。新型コロナウィルスによって世界中、そして日本中も苦しい状況になっているので、そういう意味でプロ野球選手としていま何ができるのかということを考えた結果『熱男』っていう言葉ってシンプルで、かつ誰もが知っている言葉なので、皆さんで心を1つにするためにつなぐことが(元気になるための)一番の近道じゃないかなと思って始めました。こんなにもたくさんの皆さんがつなげてくれる、つながってくれるというのを聞くと正直びっくりしています。やって良かったなという思いはあります」

――あらゆる垣根を越えての展開に、野球のパワー、そして松田選手のパワーを感じます。

松田「皆さんに『なんだこりゃ』とか『そんなんやるか』と思われたらそれまでだったんで。けれども、みんなが賛同してくれて、シンプルな『熱男』という言葉で日本中がつながってくれれば、僕はそれで嬉しいなと思っています」

――たくさんの人が熱男をやってくれていますが、松田選手から見て誰の「熱男」が良かったですか?

松田「いや、この熱男ではなく、やってくれた皆さんが凄いと思いました」

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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