台風17号と二つの熱帯擾乱の動向
台風17号は直接の影響はなし
きのう20日(火)午前9時、フィリピンの東海上で台風17号が発生しました。
台風17号の発生した日時としては、統計のある1951年以降で6番目に遅い発生となっており、今年は7月までの台風発生数が極めて少なかった影響で、8月以降は平年並みに発生しているものの、依然として、台風の発生数としては、現時点で平年より4個から5個位少ない状態です。(1998年と2010年は台風17号までの発生はなし)
台風17号はすでにフィリピンを通過した後、南シナ海に出ており、今後は発達し暴風域を伴う台風となりますが、北上することはなくまっすぐ西進し、週末にかけてベトナム方面へ進む見込みです。
この台風の日本付近への直接の影響はありませんが、北東側に広がる湿った空気があす22日(木)にかけて、沖縄付近へ流れこむため、沖縄では雷を伴った激しい雨のおそれがあり、要注意です。
二つの熱帯擾乱(ねったいじょうらん)
台風17号の他に、現在、二つの熱帯擾乱が発生しています。
一つ目は、日本の南に、きのう20日(火)午前3時に発生した熱帯低気圧(天気図中のTDマーク)で、発生後、ほとんど停滞しているような状態です。
ただタイトル画像で雲の様子をみると、ごく小さい雲の渦が確認できる程度で、今後も発達する計算はほとんど見られません。
気象庁の予想でも、今後は発達することなく、あす22日(木)夜にかけて、ゆっくりと北上し、その後は偏西風に流されて、日本の東へ抜けていく見込みです。
このため、日本付近への影響はほとんどないと思われますが、熱帯低気圧周辺の湿った空気が伊豆諸島南部付近を通過していく計算ですから、伊豆諸島南部では熱帯低気圧が通り過ぎるまで、念のため、ご注意下さい。
またこの熱帯低気圧の影響はないものの、本州付近をあす22日(木)からあさって23日(金)にかけて、低気圧や前線が発達しながら通過するため、全国的に雨となり、九州を中心に雨脚が強まる見込みで、注意・警戒が必要です。
そして日本のはるか南海上(フィリピンの東海上)に目を移すと、新たな低圧部があり、ゆっくりと西寄りに進んでいます。
種々の計算をみると、この低圧部は週末から週明けにかけて、フィリピンのすぐ東に到達する計算が多く、発達を示唆する計算も見受けられます。
ただ発達しても、今のところ、台風17号と同じようなコースを予想している計算が多く、日本付近へ影響が出るような計算はほとんどないようです。
季節はすでに10月下旬に入り、どうやら今年の日本付近での台風シーズンは終わりに近づいてきたようですが、気象条件によっては3年前の2017年のように10月下旬になって超大型の台風が襲来することがあるため、もうしばらく南の海上に注目することが必要でしょう。
参考:デジタル台風