お盆休みにかけて、気になる南の低圧部とその周辺の雲域
低圧部は沖縄方面へ西進か
タイトル画像における赤い丸の中に、反時計回りの雲の渦巻きがあり、ゆっくりと西寄りに進んでいます。これは低圧部と呼ばれる熱帯擾乱(ねったいじょうらん)で、周囲に比べて気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない雲の渦巻きを示します。渦巻きの中心付近がハッキリするようになると、熱帯低気圧に名前が変わり、熱帯低気圧の風が強まれば台風に変わります。
気象庁の予想では、この低圧部はあまり発達することなく、今後も日本の南をゆっくりと西寄りに進み、あす4日(日)からあさって5日(月)にかけて、沖縄近海へ到達する見込みです。今のところ、すぐに発達するような予想は少ないものの、この低圧部に伴う際立った暖湿流が本州付近に流れ込み、不安定を助長させる可能性があるため、要注意です。
さらにタイトル画像にあるとおり、この低圧部の東側から南側に活発な対流雲域が広がっていて、この付近で、新たな熱帯擾乱が発生することを示す計算も多くなっています。
アンサンブル予報では?
上図は日本のアンサンブル予報で、赤い点は低気圧(熱帯擾乱を含む)を表し、青い点は高気圧を表しています。また青の着色部は降水確率を表しています。来週6日(火)午前9時の予想をみると、先述した低圧部に伴う赤い点が沖縄の南に広がっている他、これとは別の赤い点が小笠原近海にも広がっていて、降水確率も高くなっています。
さらに9日(金)午前9時には、日本の南に広く赤い点が点在していて、日本の南海上は全般に気圧が低く、いつ別の熱帯擾乱が発生してもおかしくない状態が続く見込みです。そしてこれからの熱帯擾乱やそれに伴う暖湿流が、お盆休みにかけて、日本の天気に影響を及ぼす計算が比較的多くなってきている状態です。
お盆休みは暖湿流の影響を強く受ける?
ウェザーマップによる16日間予報をみると、東京は13日(火)から14日(水)にかけて傘マークがついていて、静岡、高知、鹿児島など、東海以西の太平洋側では、お盆休みを含む再来週に傘マークが目立つ予報となっています。まだ南海上の低圧部などがどれくらい影響するかは、何とも不確実性が大きな状態となっていますが、暖湿流の影響を強く受ける可能性もありますので、低圧部などの動向から目が離せない状態が続きそうです。