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この10年で40度以上は5倍に急増 ぶり返す暑さに注意

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
7月17日午前9時の地上天気図:ウェザーマップ作画

 海の日のきょう(17日)は全国的に夏空が広がり、各地で厳しい暑さになりました。

 午後4時までの最高気温は愛知県豊田市で39.1度、山梨県甲州市勝沼で38.8度、埼玉県熊谷市と京都市で37.7度となっています。

 あす(18日)は埼玉県熊谷市で39度、名古屋市で38度、東京都心で37度など、関東や東海では厳しい暑さが予想されています。

40度以上は5倍に急増

 毎年のように40度近い暑さとなるとは、つい最近まで想像もしていませんでした。

 こちらは記録が残る1927年以降、全国で最高気温40度以上を記録した地点数をグラフにしたものです。100年近い歴史があるなかで、40度以上の日は数えるほどしかありません。増えだしたのは2000年になってからです。

【年間】全国で最高気温が40度以上となったのべ地点数(1927年~2022年):筆者作成
【年間】全国で最高気温が40度以上となったのべ地点数(1927年~2022年):筆者作成

 それも急に増えたのはこの10年のことで、2018年は一年間にのべ17地点など、それまでと比べると5倍に増加しました。

今後も暑さはぶり返す

 この普段とは違う暑さはあす(18日)まで続く見込みで、夜間も気温が高いことに注意が必要です。ただ、暑さの原因となったチベット高気圧の張り出しは今をピークに、徐々に弱まる予想です。

【200hPa流線関数の5日間平均図】上段7/14~18、下段7/21~25:ウェザーマップ作画、筆者加工
【200hPa流線関数の5日間平均図】上段7/14~18、下段7/21~25:ウェザーマップ作画、筆者加工

 チベット高気圧はその名の通りチベット高原付近に中心を持つ対流圏上層の高気圧で、その勢力範囲は日本から中東まで約7千キロに及ぶ広大なものです。そのため、日本の夏の天候を決めるといっても過言ではなく、ひとたびチベット高気圧に覆われると猛烈に暑くなります。

 今後、チベット高気圧は弱まる傾向にありますが、沖縄や九州では影響を受けやすく、気温の高い状態が続くでしょう。また、関東や東海なども危険な暑さは遠のくものの、暑いことに変わりありません。

 暑さは逃れられない災害です。影響は多岐にわたり、すぐさま対処できるものではない。難しい時代になったと思います。

【参考資料】

気象庁:2週間気温予報解説資料、2023年7月17日

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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