中国武漢から情報発信の男性は秘密裁判で3年間服役か?
3年前、新型コロナウイルスによる感染蔓延によりロックダウンされた中国の武漢から、現地の状況を発信し、その後消息不明となった男性が、有罪判決を受け服役していたとみられることが分かった。今月末に刑期を終えて出所する見通しという。
罪名さえ不明の秘密裁判
この男性は、2020年に2月にロックダウン下の武漢から、市民ジャーナリストとして情報発信した方斌さん。ラジオフリーアジアが匿名の情報源の話として18日に報じたところによれば、方さんは武漢市内の裁判所の非公開裁判で有罪判決を受け、3年余り服役していたという。家族にさえ判決書は届かず罪名さえ不明というものの、警察から家族に対し4月30日に出所すると通知があったという。
中国武漢では、2019年12月に原因不明の肺炎として世界で初めて新型コロナウイルスの感染が確認され、翌月23日には市内全域がロックダウンされた。当時、感染によって生じる症状やロックダウンされた武漢市内の様子は不明な点が多かったが、その武漢から、ユーチューブや中国版SNSのウエイシンなどを通じて、情報発信したのが方さんだった。
次々と口封じされた市民ジャーナリスト
方さんは、訪れた病院を撮影し、床に放置されたままになっている遺体を数えるなど、自ら目にした実態をリポートした。さらに、新型コロナは人災であると主張し、それを招いた暴政に反対するよう人々に呼びかけた。方さんは、警察が訪ねてくる様子も発信していたが、その後音信不通となっていた。
当時の武漢を巡っては、現地から実態を発信した複数の市民が当局に身柄を拘束されるなどして口封じをされている。身柄拘束された後、ハンストで抗議した張展さんもその一人。張展さんの裁判で、弁護側は、発信の何が罪に当たるかを検察は明確にしなかったと主張していたが、張さんは騒乱誘発罪で懲役4年の実刑判決を受けた。張さんは今も服役している。