吉田麻也率いるLAギャラクシーが首位を走る
現地時間9月21日、MLS(メジャー・リーグ・サッカー)西地区で首位を走るLAギャラクシーのホーム、ディグニティー・ヘルス・パークには、2万5387人の観客が詰め掛けていた。チケットは完売。昨シーズン、8勝14敗12分で同14チーム中13位に終わった姿からは、想像し得なかった再生を見せている。
この日は同7位のバンクーバー・ホワイトキャップスを迎えた。ギャタクシーでキャプテンを務めるのは吉田麻也。右サイドバックの山根視来もレギュラーを獲得しており、元日本代表の2人はこの日も先発で起用された。
ギャラクシーは、立ち上がりから吉田を中心に最終ラインでボールを回し、じっくりとゲームを組み立てる。そして、2027年のシーズン終了までギャラクシーと契約しているMF、リキ・プッチがFCバルセロナ育ちらしい戦術眼で、鋭いボールを前線に送った。
背番号10を背負うプッチは、スペイン、マタデペラ生まれ。U21スペイン代表に選出された経験を持っている。2013年からFCバルセロナの下部組織の一員となり、2018年にプロに引き上げられた。バルセロナBでプレーしながらトップチーム入りを目指し、42試合に出場したもののレギュラーには定着できなかった。2022年にギャラクシー入りし、MLSの水に慣れた今季、十二分に存在感を発揮している。
ホワイトキャップス戦でも、プッチを起点に細かいパスが4本、5本と繋がり、敵陣に迫っていた。
32分、25歳のセルビア人ストライカー、デヤン・ヨヴェリッチが放ったシュートのこぼれ球を、バスコ・ダ・ガマから移籍してきた23歳のブラジル人FW、ガブリエル・ペクがグラウンダーで流し込んで先制。50分にはペク、プッチ、ヨヴェリッチとゴール前でパスがつながるなかで、オウンゴールを誘い2-0に。
69分にもプッチが右サイドのペクを走らせ、溜めを作ったブラジリアンが中に折り返し、フリーとなったガーナ代表のジョゼフ・ペインツィルが追加点。そして、93分にも右サイドを崩したペクが中に入れ、待ち構えていたプッチがネットを揺らした。
ホワイトキャプスも、63分、96分にゴールを挙げたが、力及ばす。中盤でのパスの精度に差があった。
試合後の記者会見で、番記者達からペクについての質問が飛ぶと、LAギャラクシーのグレッグ・ヴァニー監督は応じた。
「ガブリエルが我がチームに加入した折、彼はサイドラインに留まり、1対1に拘っていた。私たちはライン上で戦うことはもちろん、チームとの繋がりを保ち、様々なスペースでボールを受け、より多くタッチし、流れにも関与し、コンビネーションや他の選手との関係を築くことを促した。だから今は1対1ではなく、2対1の状況が生まれている。それが効果を生んでいる。今後も役割を果たすために、トップスピードでのプレーを忘れないでほしい」
残り僅かとなった今シーズン、ギャラクシーは好調を維持できるか。吉田のキャプテンシーに期待したい。