【バイクの安全性向上にも期待大】ホンダがWi-Fi通信による安全運転支援システムを考案
ホンダはテレマティクス技術を活用した防災・減災への取り組みを発表した。テレマティクス技術とは、自動車などの移動体に通信システムを組み合わせて、リアルタイムに情報サービスを提供するもので、東京ビッグサイトで開催(3/11~3/13)される「第6回 国際自動車通信技術展」において、展示物およびデモンストレーションが行われた。
目玉はWi-Fiを活用した高性能車載通信機「V2Xユニット」である。これはWi-Fi通信のみでクルマと社会インフラと、専用スマートフォンアプリを持った歩行者が互いにつながる技術で、平常時には互いに一歩先の行動をやりとりすることで余裕をもった行動に役立つとしている。つまり、予測運転のために必要な情報収集を、クルマ同士が先回りしてやってくれるわけだ。特に頼もしいのは災害発生時など。携帯電話網などの公衆回線がダウンした状況下でもお互いがWi-Fiでつながり、避難情報などの重要な情報を伝達することもできるとのこと。
外部機関との取り組みも始まっている。任意団体おもてなしアプリ推進協議会が訪日外国人に向けて提供・利活用促進を行っている「OMOTENASHI APP」や、インターナビから収集した急ブレーキ多発地点データと、交通事故情報および地域住民などから投稿される危険スポット情報を地図上に掲載し、地域の安全活動に活用できることを目的としたソーシャルマップ「SAFETY MAP」、吹雪による視界不良情報を車載ナビゲーションやスマートフォンアプリに配信するサービス「ホワイトアウト予測情報」なども紹介された。なお、実車へのV2Xユニットの搭載については検討段階ということだ。
ホンダはグローバル安全コンセプトを「Safety for Everyone」と定め、「事故に遭わない社会」を追求し、クルマや二輪車のユーザーのみならず、歩行者やそのほかの道路を使うすべての人にさらなる安全・安心を提供する技術の革新に努めていく意向だ。
ホンダも含めた多くの車両メーカーが自動運転などの最先端技術を競っているが、これも安全あってのこと。以前、ホンダの発表会で技術者の方が「自動運転化が難しい二輪の場合、将来的に自動運転車と混走する場合は何か新たな策を講じる必要がある」と話していたことを思い出したが、今回発表されたテレマティクス技術はまさにそれである。情報伝達方法などの課題も多いが、ライダーにとっては安全運転を支援してくれる強力な味方になってくれるはずだ。