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松永大星(新納慎也)はなぜ客席で紅茶を飲んでいたのか #ブギウギ #朝ドラ

木俣冬フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人
「ブギウギ」より 写真提供:NHK

東京編が近づいてきた朝ドラこと連続テレビ小説「ブギウギ」。香川で出生の秘密を知った福来スズ子(趣里)は大阪に戻ってステージの仕事に励む。秋山(伊原六花)のダンスとスズ子の歌が売りになっていたが、どうも秋山のダンスに食われてしまっている気がして悩んでいるところへ、東京の梅丸楽劇団の人たちが視察にやって来て……。

紅茶好きな設定

視察に来たひとり、演出家の松永大星(新納慎也)は、財閥の御曹司で、パリと英国帰りの洒落た、そして身振りのオーバーな人物。木曜日放送の第24回では、スズ子たちのショーを見ながら優雅に紅茶を飲んでいた。客席で紅茶って……。制作統括の福岡利武チーフプロデューサーに聞くと、

「紅茶好きという設定であるのと、当時の劇場が今と比べると、飲食が自由だったんです」

という回答をくれた。

いくら飲食自由でもカップでお茶は自由過ぎるが、新納慎也さんの動作がハマっていて、チャーミングである。

車を降りて靴の埃をはらう動きや投げキッスも決まる松永大星を優雅に演じている新納慎也さんは、大河ドラマ「真田丸」の豊臣秀次役や「鎌倉殿の13人」の阿野全成役などで全国区に注目された。

秀次も全成も、極めて善良な人物が見舞われる悲劇を鮮烈に演じ、視聴者を泣かせた新納さん。それまでは舞台――主にミュージカルで活躍し、映像にも活動範囲を広げている。華やかでどこか上品なムードがありながら、愛嬌もあって、好感度抜群だ。

「当て書きですよね」

今回の朝ドラ出演にあたり、「こんなに僕の魅力を引き出してくれる台本でうれしいです」と演じることを喜んでいるとか。「当て書きですよね」と訊ねるほど、新納さんにぴったりのキャラクターであるという。

「細かいところまで新納慎也さんにしかできない表現をしてくださっています」と福岡CP。

「趣里さんともすごく楽しく現場でもお話ししています」とのことで、スズ子とのシーンにも印象的なものがたくさん出てくるそうだ。梅丸少女歌劇団で男性免疫が少ないスズ子が、外国帰りの松永のエレガントな態度に、どう反応するか注目。

今後も紅茶を飲むシーンが出てくるか定かではないが、第6週からも様々な局面で盛り上げてくれそうだ。

「ブギウギ」より 写真提供:NHK
「ブギウギ」より 写真提供:NHK

【放送】

総合【毎週月曜~土曜】午前8時~8時15分 *土曜は一週間を振り返ります

BSプレミアム【毎週月曜~金曜】午前7時30分~7時45分

BS4K【毎週月曜~金曜】午前7時30分~7時45分

【作】足立紳 櫻井剛 <オリジナル作品>

【音楽】服部隆之

【主題歌】「ハッピー☆ブギ」中納良恵 さかいゆう 趣里

【語り】高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)

【出演】趣里 水上恒司 / 草彅剛  菊地凛子 小雪 水川あさみ 柳葉敏郎 ほか

【概要】大阪の下町の小さな銭湯の看板娘・福来スズ子(趣里)は歌や踊りが大好きで、道頓堀に新しくできた歌劇団に入団し活躍後、上京。そこで、人気作曲家・羽鳥善一(草彅剛)と出会い、歌手の道を歩みだす。“ブギの女王”と呼ばれた人気歌手・笠置シヅ子をモデルにした、大スター歌手への階段を駆け上がる物語。

フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人

角川書店(現KADOKAWA)で書籍編集、TBSドラマのウェブディレクター、映画や演劇のパンフレット編集などの経験を生かし、ドラマ、映画、演劇、アニメ、漫画など文化、芸術、娯楽に関する原稿、ノベライズなどを手がける。日本ペンクラブ会員。 著書『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、ノベライズ『連続テレビ小説 なつぞら』『小説嵐電』『ちょっと思い出しただけ』『大河ドラマ どうする家康』ほか、『堤幸彦  堤っ』『庵野秀明のフタリシバイ』『蜷川幸雄 身体的物語論』の企画構成、『宮村優子 アスカライソジ」構成などがある

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