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キスマイ宮田氏・スノ佐久間氏など…アニメ好き芸能人の“強さ”とは

小新井涼アニメウォッチャー
(写真:アフロ)

アニメ好きとしても有名な、宮田俊哉(Kis-My-Ft2)氏と佐久間大介(Snow Man)氏。

この週末も、彼らがアニソンイベント「Animelo Summer Live(通称アニサマ)」2017年開催回の配信番組にて、副音声版のホストを務めることが発表され、話題となりました。

今では珍しく無い“アニメ好きな芸能人”ですが、その発言や行動から、時にはアニメファンから『単なるキャラ付けでは?』『人気作品に乗っかりたいだけでは?』と疑われたり、ネガティブなイメージを持たれてしまうこともあります。

しかし両氏に関しては、上記のようなアニメ系のイベントにも招かれるくらい、自身のファンだけでなく、アニメファンにもアニメ好きとしてすっかりお馴染みで、ある種の信頼もあることが特徴です。

彼らがいわゆる“アニメ好きな芸能人”として、アニメファンにもネガティブなイメージをもたれず、信頼が置かれる理由はどこにあるのでしょうか。

■好きなアニメの知識

多くの人がまず思い浮かべるのは”好きなアニメの知識が豊富”なところだと思います。

近年の「鬼滅の刃」ブーム以降、バラエティや情報番組などでも、アニメが取り上げられる機会はこれまで以上に増えました。

宮田氏や佐久間氏は、そうした番組に”芸能界のアニメ好き”として出演することも多く、そうした場面で活かされているのが、彼らのアニメ知識です。

作品の紹介から共演者への解説、熱い語りなどは、アニメに詳しくない視聴者に興味を持たせるのはもちろん、アニメファンにも『分かる!』と強い共感を持たせてくれます。

しかし彼らがアニメファンに信頼されているのは、単に“知識”があるからだけなのでしょうか。

■知識≦敬意と理解

どちらかというと知識よりも大きいのは、“好きなアニメへの敬意とファン文化への理解”があることが伝わる姿勢だと思います。

それは 『仕事獲得のためのアニメ視聴はしない』 宮田氏の矜持や、『コミケにも頻繁に参戦している』佐久間氏の経験談といった情報からだけ伝わるものではありません。

どちらかというと、例えば『本当に作品が好きだったらそんな表現は使わない』というちょっとした”言葉使いのニュアンス”であったり、『それは公共の電波で話さないでほしい』といった部分の”線引き”であったり…。知識のように分かりやすいものではありませんが、同じアニメファンであればピンとくる、絶妙な姿勢からこそ伝わるものです。

些細なことではありますが、本人もいちファンだからこそ、そうしたニュアンスや線引きが分かっている人は、アニメファンが『あまりそういった事情に詳しくなさそうだな…』と少し不安に思う番組や企画内でも、危ない発言にさり気なくストッパーやフォローを入れてくれたりします。

そのためアニメファンも、これなら好きな作品が冷やかされる心配もない、『この人がいれば安心だ』と、一定の信頼を置くことができるのでしょう。

■アニメ好き芸能人の“強さ”

アニメを取り上げる番組も増えている昨今、逆にそうしたニュアンスや線引きが分かる人が誰もいないと、それが悪い事とは全く知らずに、ちょっとした言葉や映し方で、作品関係者やファンを悲しませてしまうことも無いとは言い切れません。

そんなとき、その危険性も察知できる“好きなアニメへの敬意とファン文化への理解”があることは、単にアニメに詳しいという“知識”以上に、アニメ好きな芸能人が持つ真の“強さ”でもあると言えるのではないでしょうか。

今回紹介した宮田氏、佐久間氏の他にも、そうしたアニメ好きな芸能人の方は、お笑い芸人やアナウンサー、タレントやモデルなど各業界に増えてきています。

話題のアニメに注目が集まり続ける中、彼ら彼女らのアニメ関連での活躍の場も、今後益々増えていきそうです。

アニメウォッチャー

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続しつつ、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。 まんたんウェブやアニメ誌などでコラム連載や番組コメンテーターとして出演する傍ら、アニメ情報の監修で番組制作にも参加し、アニメビジネスのプランナーとしても活動中。

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