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再び南岸低気圧が通過へ、関東の雨や雪は?いつ暖かくなる?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
東京の10日間予報(ウェザーマップ)

再び南岸低気圧が通過へ

予想天気図と下層寒気の予想(ウェザーマップ)
予想天気図と下層寒気の予想(ウェザーマップ)

先週は、5日(火)から6日(水)にかけてと、8日(金)の2度にわたって南岸低気圧が通過し、埼玉などの内陸を中心に、関東平野部でも雪が降り、積雪となった所もありました。そしてあす12日(火)は、この南岸低気圧が再び発達しながら関東沿岸を通過する見込みです。

では今回も雪になるのか?その目安となる上空1500メートル付近の下層寒気に注目してみます。関東平野部では、0度以下で雪の可能性が出て、-3度以下でその可能性が高まることになりますが、上図のように、今回はその目安となる下層寒気が関東平野部からは北上し、北部山沿い方面にのみ、0度線がかかっている状態です。

このため、あす12日(火)は、関東平野部では雪の可能性はかなり小さいと思われ、主にみぞれや雪となるのは、標高の高い山地や山沿いが中心となりそうです。

標高1000メートル以上では大雪の可能性も

雨やみぞれ、雪の予想(ウェザーマップ)
雨やみぞれ、雪の予想(ウェザーマップ)

最新の予想をみると、関東で雨が降り出してくるのは、あす12日(火)朝から昼前にかけてで、昼過ぎから夕方頃にかけて、ピークとなるでしょう。

上述した通り、みぞれや雪となるのは、主にみなかみや草津、奥日光や那須高原など、標高500メートルから1000メートル以上の所が中心となりそうで、特に標高1000メートル以上の所では、湿った重たい雪が10センチから20センチ程度降り、大雪となる可能性もあります。一方、平野部は雪にはならずとも、安心というわけではありません。

平野部では雷を伴った激しい雨も

予想降水量(ウェザーマップ)
予想降水量(ウェザーマップ)

上図はあす12日(火)午後9時までの24時間の予想降水量です。静岡県を中心に、関東平野部にも50ミリ以上を示す紫色が予想されています。低気圧が通過する昼過ぎから夕方頃を中心に、雷を伴った激しい雨が降り、風も強く、横殴りの降り方をするおそれがありますので、要注意です。

週末は20度以上も、来週はまたひんやり?

東京の10日間予報(ウェザーマップ)
東京の10日間予報(ウェザーマップ)

東京都心では、あす12日(火)に冷たい雨が降るものの、あさって13日(水)には晴れて、その後、日に日に暖かくなるでしょう。週末の16日(土)には20度まで上がり、4月中旬並みの暖かさとなりそうです。もし20度以上となれば、先月2月20日23.7度以来、ほぼ1か月ぶりとなります。

ところが暖かさのピークは、この16日(土)頃となりそうで、その後、来週にかけて日に日に気温が下がる傾向で、晴れても平年に届かないような日も出てくる予想です。

来週は寒気が再び優勢に

2週間気温予報(気象庁発表をウェザーマップが作成)
2週間気温予報(気象庁発表をウェザーマップが作成)

気象庁が発表している最新の2週間気温予報によると、来週20日(水)を中心とした5日間の平均気温は、ほぼ全国的に平年より低い傾向が予想されています。これは南からの暖気よりも、北からの寒気が再び優勢となるためです。この寒気の強さや期間の長さ次第では、関東以西の桜の開花にも影響が出るかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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