NY金21日:強めの米指標で戻り売り優勢、FOMC議事録は材料視されず
COMEX金6月限 前日比比4.60ドル安
始値 1,209.40ドル
高値 1,212.40ドル
安値 1,200.80ドル
終値 1,204.10ドル
為替はドル安方向に振れたが、米経済に対する信認回復の流れが維持される中、売り優勢の展開に。
前日引け後に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(4月28~29日開催分)では、6月利上げに慎重な見方が示される一方、足元の景気減速に対しては一時的との評価が示されたことで、特に金相場に大きな手掛かりを与えるような内容にはならなかった。利上げ着手の時期を前倒しするような動きは鈍いが、今後の景気回復が想定できるのであれば、当然にその先には利上げ着手が備えることになり、改めて指標から米景気の地合を確認したいとする向きが多い。
こうした中、本日は新規失業保険申請件数が前週比+27.4万人と発表されている。決してサプライズとなる程に良好な数値ではないが、4週間平均は15年ぶりの低水準に抑制されていることで、雇用環境は良好との見方が利上げ期待につながっている。まだ米経済に対する信認を完全に取り戻すには至っていないが、早ければ9月にも利上げ着手が行われる可能性が高いことが再認識されていることが、金相場の上値を圧迫している。
今後も当然にネガティブな指標が発表されれば、金相場が買われる余地は存在する。しかし、ドルの急落傾向にも一定の歯止めが掛かり始める中、戻り売り優勢の地合に回帰しつつある。本格的な値崩れを促すには更に良好な経済統計を積み重ねていくことが要求されるが、1,200ドル割れからチャート主導の売りも呼び込むことができるのかが問われる局面に。