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スーパーカブが中国製から日本製になった理由って?

相京雅行下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

世界累計生産台数1億台、生誕60周年、立体商標の登録など日本を代表するバイク、スーパーカブ。郵便局や新聞屋さんなど商業車両として開発されたスーパーカブは特にコストパフォーマンスが重視される車両です。

原材料や人件費の高騰が続いたため、2012年にホンダはスーパーカブの製造を中国に変更しました。消費者が求める価格に合わせていくには仕方がない判断だったのです。ですが、中国製造に切り替えた後のモデルに関しては、残念ながら商業利用するユーザーからの評判は決した高くなかったのだとか。

そこで中国への製造移管から5年後の2017年。フルモデルチェンジ。海外で人気の角目から日本で人気の丸目ヘッドライトに変更しつつハロゲンからLEDになり生産工場を熊本に変更しました。

販売代理店向けの商品説明会ではホンダの担当者から「スーパーカブの信頼を取り戻す!」という力強い発言があったのだとか。モデルチェンジから4年。今のところ業界関係者の評価は非常に高いように思います。

ただ今後法規制などの問題からABSかコンビネーションブレーキの装備が義務付けられます。そうなるとフロントブレーキはディスクに変更され、ABS採用が濃厚かと思います。

性能はもちろんですが、価格も厳しい目で見られるスーパーカブ。コロナ禍でABSを作るための半導体やパーツ生産、さらには輸送のためのコンテナの不足など現場は逆境であることは間違いありません。

今後もスーパーカブの変化・進化、さらには価格の推移などにも注目していきたいところです。

下町のバイクパーツメーカー/ディレクター

下町の小さいバイクパーツメーカーで番頭を務めています。面白い事には大抵首を突っ込みます。ワークマンでアンバサダーをやっていたり、オールアバウトでバイクガイドを担当していたりします。

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