イ・ボミの揺れる進退の行方…今季が最後?女子ゴルフ開幕戦予選落ちで“察するに余りある”心情とは
イ・ボミの2022年開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」はほろ苦い結果となった。初日73、2日目74の通算3オーバー、一打が足りず予選落ちした。
昨年も同大会で予選落ちしており、やはりスイングの状態は良くないまま。あまり笑顔が見られない状況が続いている。
2011年に日本ツアーに初参戦して、1年目からシードを獲得。その後の活躍はご存知の通り、ツアー通算21勝。15年と16年は絶頂期を迎えて2年連続で賞金女王となった。
渋野日向子ら“黄金世代”が登場する前は、イ・ボミのほか、日本ツアーを主戦場にするアン・ソンジュ、申ジエ、キム・ハヌルら韓国勢の強さが際立ち、女子ツアー人気をけん引していた時代があった。
だが、いい時はそう長く続くものではない。年を重ねるにつれて、世代交代は当然に起こるもので、選手たちも引き際を考える時が来るものだ。
昨季(2020-21)はツアー出場28戦にとどまり、賞金ランキングはシード圏外の82位。日本ツアー参戦から初めてシードを逃した。
だからこそ2022年はイ・ボミにとって大事な1年になる。
「スイング改造」は吉とでるか
「引退はしません」――昨年、シードを失ったあと彼女はキッパリとこう言っていた。
まだ現役を続ける意思はあった。昨年は同僚のキム・ハヌルが現役引退を決めたが、まだ「やめる」という決断には至らず、「ゴルフが好きだから続けたい」という。
一方で、まだ不安が解消されないままなのも確か。オフには体力強化のトレーニングと課題の克服に努めたというが、今もなおショットは安定せず、右へ左へと飛ぶことが多いという。
「ドライバーからウェッジまで、すべてのスイングに不安を抱えたまま」と正直に話していた。今季開幕直前の公式会見でも「今、スイングを変えていて、早く慣れたらいいなと思っています」と打ち明けて、周囲を驚かせていた。
実戦のなかで納得できるスイングと結果を残していかなければならない。
「納得いくゴルフができれば満足」
イ・ボミはシードを失ったが、今季は開幕から5試合連続で出場が可能となった。昨季(2020-21)は新型コロナの影響で来日できず、出場できなかった試合もあり「入国制限保障制度」が適用されてのことだ。
今週開催の明治安田生命レディスヨコハマタイヤゴルフトーナメントを含め、出場できる試合は残り4試合。もちろん他にも推薦出場できる試合もあると思うが、コロナ禍で気軽に日韓を行き来できない状況だけに、残り4試合で勝負をかけたいところ。
上位に入ることができれば、リランキング(ノーシード選手の出場優先順位の入れ替え)で残りの試合を戦うことができる。
もちろんイ・ボミもそこを狙っている。「そうなれば自分のプレーが出来ているということだと思うので、楽しくできると思います」。
それに今季の目標は優勝とかではない。「目の前の目標は、3日間、4日間の試合で毎日、自分が納得できるプレーができたらそれだけで満足です」。
今は気持ちよくゴルフがしたいというのが彼女の本音で、その心情は察するに余りある。
日本でプレーが見られるのは今季が最後になるのかは分からないが、残りの試合の結果にも左右される。
個人的には、ここでもう一花咲かせてほしいというのが本音だ。