【京都府長岡京市】古都の魅力後世に引き継ぎたい ふるさとガイド養成講座の募集開始 後継者不足に懸念も
NPO法人長岡京市ふるさとガイドの会が2022年5月28日(土)~12月24日(土)まで月に2回、計14回に亘って「長岡京市ふるさとガイド養成講座」を開催します。座学や市内の寺社や史跡の実地研修も行われます。5月1日から募集を開始。同会の河野宏文理事によると「すでに許容人数の半分程度の申し込みがあった」といいます。
講座の開催は新型コロナウイルス禍もあって2年ぶり。対象は、講座終了後、長岡京市のふるさとガイドとして活動できる人となっています。折しも長岡京市は、市政施行50周年を迎えます。河野理事は、「ガイドの平均年齢も75歳になってきています。講座や施設ガイドも行われなかったので、知識やノウハウの伝承が受け継がれない事態になっています。ぜひこの機会に参加を」と呼び掛けています。
長岡京は、平安京遷都前の10年間に平城京から移された都です。その規模は平安京をも凌ぐ大きな都だったことが、「長岡京発見の父」と言われる中山修一さんを始めとする近年の調査で分かってきています。何故打ち捨てられた都となったのか謎も多い。また中世には、織田信長に翻弄されながらも国衆としてこの地を守り抜いた神足氏、中小路氏などの活躍や細川藤孝親子、ガラシャ、明智光秀にもゆかりの歴史ロマンあふれる土地柄です。
2022年5月4日、勝竜寺城でガイドをされていると聞き、河野理事をお訪ねし、筆者も早速に講座への申し込みをしました。じっさいに勝龍寺城を案内していただきました。
勝竜寺城は、長岡地域の結束拠点となっていた神足城をとりこんで、信長の命を受けてこの地の領主となった細川藤孝が城郭を築いたと言われます。嫡男忠興に明智光秀の娘・玉のちの細川ガラシャが輿入れしたところでもあり、山崎の戦いに敗れた光秀が最後の夜を過ごした場所でもあります。庭園にある銅像前で、「ガラシャが手に持つ百合の花は聖母マリアのシンボル」だと教えていただきました。
河野理事に天下分け目の天王山が一望できる小丘に連れてきていただきました。景観も絶景ながら、「『古今和歌集』の解釈を一子相伝の秘伝として伝える『古今伝授』が『麒麟がくる』にも登場した三条西実澄から細川藤孝に行われた場所でもある」と聞き、感銘を受けました。また光秀が脱出したと伝わる勝龍寺城の北門には、当時の石垣や門の礎石が今も遺ります。
その他にも、ためになる貴重なお話をユニークに解説していただいたのですが、現在60人近い登録のある同会のガイドはボランティアでやられていると聞き、頭が下がると同時に、後継者を育てる上での今後の問題点も感じました。
みなさん、長岡京市の名所に行ったら、同会のガイドさんに気軽に案内をお願いしてみてください。観光が10倍楽しくなりますよ!
勝竜寺城公園 京都府長岡京市勝竜寺13−1 「長岡京市ふるさとガイド養成講座」