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【宮城県 松島町】‍もやっとミステリー!JR仙石線の車窓から見える不思議な鳥居篇 [町内地区]  

Molly Chibaフリーランスライター(東松島市・宮城郡・塩竈市)

『あれは一体、なんだろう?』
日常生活または旅行先などで偶然発見した「不思議な場所や物」の存在は、時間が経過したとしても、ふとまた思い出してしまうもの。なぜなら、不思議だからだ。
一体なぜここに?何の目的で?などなど考えれば考えるほど、モヤモヤっとしてくるが謎はハッキリと解決しない方が面白い場合もある(小説の世界観と似ている)。

そこで今回は筆者が以前から抱いていた謎の1つ、宮城県松島町の町内地区に存在する「もやっとミステリー」な物をご紹介。松島町内をぶらりと散歩する際にでも、楽しみながら是非チェックしてみてほしい。
(※ミステリーとしているが決して怖くないので安心してほしい。ただ、せっかくなので少しばかりミステリー風の書き方でいこう。)

その不思議な存在とは「鳥居」なのだ。最初にその存在に気付いたのは、JR高城町駅から仙石線に乗車し、松島海岸駅へと向かう最中の出来事だった。あと数分で到着というところで、ふと車窓から見える鳥居が目に入った。

それは、鬱蒼と生い茂る杉林の合間にポツンと佇む古びた鳥居。電車の揺れとスピードで周辺をしっかりと確認することは困難だったが、奥へと繋がる舗装された道の存在を知ることは出来た。一体、どこからあの鳥居へ行くことが出来るのだろうか?また、何のために?地図を広げて鳥居の'おおよそ'の場所を探してみても、特にこれと言った名称の記載などはなかった。

あれから数ヶ月が経過、ついにこの謎の鳥居の元へ辿り着くことが出来たのだ。

謎の鳥居が建つ場所を考えた時にいくつかのヒントが思い浮かんだ。
車窓から鳥居を確認した時には、JR高城町駅から乗車しJR松島海岸駅まであと少しで到着するという状況だった。そのことから、おそらく鳥居は松島海岸駅から高城町駅方向へ歩いて数分の場所に、そしてJR仙石線の線路に近い場所ということ。加えて、最大のヒントとなったのが'杉林'だ。
駅から歩いて数分の場所・・・。JR仙石線の線路に近い場所・・・、そして杉林に囲まれている・・・。
円通院、瑞巌寺の中なのだろうか?しかし、いずれの施設も敷地内からJR仙石線を眺められる場所はなかった。一体どこにあるのだろうか・・・足取り重く「ハス池」方面から瑞巌寺へと歩いている時に、ふと目に飛び込んできた「陽徳院(ようとくいん)」へと続く道。

陽徳院は、宮城県の重要文化財の1つになっている修行道場で、建設したのは伊達政宗(だて まさむね)の息子、つまり二代目藩主の伊達忠宗(だて ただむね)だ。現在は、施設内への一般公開はされていないが外観を眺めたり、施設の詳細が記載されている看板などから文化財の歴史を楽しむことが出来る。

何気なく陽徳院の方向へと歩き進め、発見した1本の道。右側に陽徳院を、そして目の前には真っ直ぐに伸びる道。これはまさか・・途端に道の奥から聞こえてきた「あの音」。

『トタタン、トタタン・・・ファーン!』
筆者は期待を胸に'グーの手'を構えつつ、軽快な汽笛を追いかけ足早に1本道を駆け上がった!
すると目の前には、あのJR仙石線の車窓から眺めていた景色が広がっていたのだ・・・

改めて周囲を見渡すと、正面には確かに電車の電線や線路が敷かれ、間違いなく謎の鳥居の場所がここだという実感が湧いてきた。

謎の鳥居の場所は解明したが、鳥居の先は行き止まりとなっているため、その目的や意味は引き続き'不思議な世界'に包まれたままだ。昔は瑞巌寺へと向かう裏口として存在した鳥居なのだろうか、それとも陽徳院の裏口として活躍していたのか・・非常に気になるところだが、奥深さを残すために「もやっとミステリー」のままにしておこう。


今回ご紹介したような'モヤモヤっ'とする不思議な場所や、物などに注目して松島町内を散策するのも、なかなか面白い。探偵のように謎解きをしながら、または謎を見つけながら国の重要文化財や歴史に触れて、ぜひ皆で街歩きを楽しんでみては如何だろうか。
さあ、あなたはどんな謎を見つけることが出来るかな・・?!

名称:'車窓から見える不思議な鳥居'
住所:宮城県松島町内周辺

フリーランスライター(東松島市・宮城郡・塩竈市)

Molly Chiba|日本出身|2022年2月からフリーランスのライターとして独立。日本と英国を拠点に活動中。日本国内の地域ニュースやコラムのほかに、日・英のサッカーに関するコラムを『Football Tribe Japan』に執筆中。2024年8月の「地域クリエイターMVA(Most Valuable Article)」を受賞。珈琲と自然と動物が好きです。

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