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フィンランドのSupercell社、デイリーユーザー1億人を達成。わずか4タイトルで

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
同社の代表4タイトル。ありがとう1億人動画より。筆者キャプチャ

3月7日(月)、フィンランドにあるソフトバンク子会社のSupercell(スーパーセル)は同社の4タイトルの合計デイリーユーザー(DAU)が1億人を突破したと動画にて発表しました。

100 Million Thank Yous(ありがとう1億人)

対象の4タイトルは以下のゲームです。

DAU1億人突破タイトル

クラッシュ・オブ・クランとヘイ・デイは現在も売上ランキング上位にいる同社の人気タイトルであり、クラッシュ・ロワイヤルはリリースされたばかりの期待の新作でiTunes App Storeのトップページにも取り上げられています。

ミニマムリリースでアプリを厳しく取捨選択

一体どうやってSupercellは4タイトルでこのような業績を達成できたのでしょうか?

その秘密は、同社のミニマムリリース(テスト配信)にあります。Supercellでは新作アプリをカナダなどのマーケットの大きくない地域で先行リリースし、その状況を見ながら開発を続けるか続けないかを判断しているのです。

例えば昨年はパズルRPG『Spooky Pop』や、ひっぱり系アクションゲームとして期待されていた『Smash Land』をミニマムリリース後に開発中止を決定しています。

同社のこの「基準に達しないものは続けない」という妥協しない精神が、今回のDAU1億人突破を成し遂げたのだと考えられます。

世界のいつどこでユーザーが遊んでいるか分かる

また、上記で紹介した動画にも注目して欲しいシーンがあります。

それは冒頭のこの地球のシーンです。

いたるところでライトが光る地球のCG。動画より
いたるところでライトが光る地球のCG。動画より

地球上で赤や青に光るライトが点滅していますが、これは街の灯りではなく「その場所でユーザーがSupercellのゲームを遊んでいる」ことを示しています。

じつは、Supercellのヘルシンキ本社の入り口には(2年前の取材当時と変わっていなければ)「ユーザーが今どこで遊んでいるか」が分かる世界地図モニターが掲げられているのです。

2014年6月のSupercell取材時に筆者撮影
2014年6月のSupercell取材時に筆者撮影

社員であれば誰しもがこの前を通ります。ボクはSupercellの社員ではありませんが、「これを毎日見られるなんてモチベーション上がるな」と当時思ったことを覚えています。

これほどまでにゲームとユーザーを愛する同社が今後どのようなゲームをリリースしていくのか? スマホ業界に携わる身として目が離せません。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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