【富士宮市】手間のかかる製茶過程を見学させてもらった後で飲むお茶はおいしさが倍増 『堂ヶ谷戸製茶』
今年も新茶の季節がやってきましたね。
子どもの頃、毎年この時期になると祖母は、親戚のところへ新茶を贈っていました。
しばらくすると「静岡の新茶が一番おいしいのよね」なんて綴られたお礼の葉書が届いていたのを思い出します。
お茶は、茶の木から伸びてきた新芽と葉を摘み取って製品にします。摘んだ後もまた伸びてくるので、1年に3~5回の収穫ができるそう。順番に、一番茶・二番茶・三番茶…と呼び、一番茶を “初物”という意味を込めて『新茶』と呼ぶそうです。
昨年、タブレットティー『今日のご予Ttea!』で飲んだ『トレマタン』がとてもおいしかった記憶があり、今回は富士宮市西小泉町にある『堂ヶ谷戸製茶』さんを訪問してみました。
県道76号富士富士宮由井線沿い富士根南公民館から北へ約30mほど北に進んだ左手に大きな工場が見え、『新茶』ののぼりが立っていたので迷うことなく到着しました。
製茶工場横の白い建物が直売所になっています。
新茶の中でも特別に早く生産された『大走り新茶』、『初摘み新茶』、タブレットティーの『トレマタン』も販売されていました。
贈答用に化粧箱に入れたものや、お茶缶に入ったものもありました。
もちろん、新茶以外のお茶も種類豊富です。贈答用から自宅用、緑茶だけでなくほうじ茶や和紅茶なども取り扱っています。
地方発送も可能で、直売所に来れなくても楽天市場で購入ができるそうです。
興味本位で製茶工場を覗かせて頂くと…お昼の休憩中の時間帯であったにも関わらず、社長が工場内を案内してくれました!
(バイク乗りとしては操作盤横にさりげなく置かれているメットが気になるところ…)
摘み取られたお茶の生葉は、まずこちらのコンテナに入れ、送風とミストを当てて鮮度良く保ちます。
コンテナから蒸器へ。蒸気で連続的に蒸すことにより、緑茶独特の香りと味を引き出します。
蒸された生茶の表面に付いた水分を攪拌させながら熱風にさらし、茶葉の表面の水分を取り除きます。
機械の中に揉み手のようなものがあり、熱風を当てながら揉み込み、茶葉の中の水分を出しながら乾かします。
次に揉捻機で、加圧しながら揉み込み、茎などに含まれるうまみ成分を揉み出し、茶葉の水分を均一にします。
中揉機では、揉捻機を終えた茶の塊をほどき、風を当てながら揉み込みます。
機械の中はなんと竹でできています。ここでは乾燥を進めると同時に茶葉のツヤや形状を良くします。
そして最後に精揉機で、乾燥させツヤや味、香りを引き出します。機会を動かしてもらうと精揉機の中の揉み手がまるで手揉みしているようにしなやかに動いていました。
初めて日本茶ができる製造過程を見学させて頂き、驚いたのが工程の多さ!
日本茶は『摘み取って蒸して乾燥させて作られている』と簡単に思っていましたが、こんなに手間暇をかけて作られているんですね。
ちなみに鈴木社長は富士宮茶手揉保存会の会長さんでもいらっしゃるそうです。
富士宮茶手揉保存会のYouTubeでは今年の初取引用の手もみの様子を見ることができます。
(ちなみに社長さん、最近大型バイクを購入したそうで、この後ちょっとだけバイク談義をさせてもらいました。)
「実際に機械が動いているときは、工場全体が良い香りに包まれるんですよ。今度は機会が動いているときに来てみてください」と見送ってくださった社長さんと奥さん。
とても温かい気持ちで、車に乗り込みました。
フランス語で『早朝』という意味の『トレマタン』。
朝は苦手な私ですが、このお茶があれば起きるのが楽しみになりそうです。
突然訪問した私にも、まるで以前からの知り合いのように接してくれた人柄が、『堂ヶ谷戸製茶』のお茶のおいしさの隠し味になっているのかもしれません。
堂ヶ谷戸製茶
住所:富士宮市西小泉町52‐1
TEL:0544-26-3250
営業時間:9:00~17:00
*不定休
堂ヶ谷戸製茶 楽天市場店