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ウエスタン今季最終戦、岩貞は3連続三振締め!チームは3安打完封負け…

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
危険球退場からの連投も影響はなく、三振3つで投げ終えた岩貞投手。次はCS?

まず最初に、きょう1日の17時すぎに阪神タイガースから『吉見祐治選手(36)、高山久選手(32)、西村憲選手(27)、阪口哲也選手(22)に対して、来季の契約を結ばないことを伝えましたので、お知らせします』と発表がありました。きょうが自主練習日だったので、あす2日だと思っていたのですが…とうとう来てしまいました。話を聞いてお伝えできればと思いますが、少し時間も必要ですね。しばらくお待ちください。

さて9月とともに、ウエスタン・リーグも終わってしまいました。まあファームは大体、9月中には全日程を消化するようになっていますけどね。ことしは雁の巣がラストゲームで、半ば予想はしていたものの3安打完封負けという…今季の小虎打線を象徴するような締めくくり。8月からは結構いい感じで打っていたのになあ。やはり4日後にファーム日本選手権を控えているチームの勢いには、かないませんでした。

全日程を終了してのチーム成績と表彰選手は最後に書きますが、ソフトバンクはリーグ新記録となる68勝を挙げての3連覇。3位で貯金1ながら4年ぶりの勝ち越しとなった阪神は、ソフトバンクとの対戦成績が8勝18敗となっています。関西弁で言わせていただくなら「よう、こんだけ負けたなあ」。その分、オリックスには19勝5敗2分と「ほんまに、よう勝たせてもらいました。同じ関西で申し訳ないけど」ですね。

ソフトバンクはチームが新記録の68勝だっただけでなく、牧原選手が29日に1安打でリーグ最多安打に並び、きのう30日に2本打って120安打、シーズン最多記録を更新しています。

《ウエスタン公式戦》9月30日

ソフトバンク-阪神 最終26回戦 (雁の巣)

阪神 000 000 000 = 0

ソフ 030 400 10X = 8 

◆バッテリー

【阪神】●藤原(1敗)-白仁田-山本-岩貞-玉置-筒井 / 小宮山-小豆畑(5回~)

【ソフ】川原(3回)-○東浜(9勝5敗)(2回)-日高(0/3回)-二保(1回)-伊藤大(2/3回)-岩嵜(1回1/3)-星野(1回) / 拓也-山下(8回~)

◆本塁打 松中5号3ラン(白仁田)

◆三塁打 李杜軒

◆二塁打 猪本 

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]二:黒瀬  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 1) .254

2]中:田上  (4-1-0 / 0-0 / 1 / 0) .222

3]一:原口  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .264

4]指:狩野  (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .276

〃打指:森田 (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .273

5]三:陽川  (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0) .241

6]捕:小宮山 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 1) .200

〃捕:小豆畑 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .267

7]右:中谷  (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .190

8]遊:西田  (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .228

9]左:一二三 (1-0-0 / 1-2 / 1 / 0) .181

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

藤原  5回 37球 (4-0-2 / 3-2 / 3.97)

白仁田 2回 39球 (4-3-0 / 4-4 / 5.24)

山本  1回 6球 (0-0-0 / 0-0 / 1.95)

岩貞  1回 15球 (0-3-0 / 0-0 / 0.65)

玉置  1回 30球 (2-1-1 / 1-0 / 2.50)

小嶋  1回 19球 (1-0-0 / 0-0 / 3.64)

11安打8失点 vs 3安打0点

まず投手陣。藤原は2回、先頭・李に右中間への三塁打(中継の西田が好送球を見せるも間に合わず)を浴び、猪本の左越え二塁打(一二三が取れず、さらにクッションボールを一度つかみ損ねたよう…)で、あっという間に先取点を奪われます。次の安田のバントは藤原が捕って三塁へ送りアウト!残った安田が盗塁、小宮山の送球も逸れて1死三塁となり、続く亀澤に前進守備の二遊間をきれいに抜かれるタイムリー。拓也は一ゴロ(原口が一度こぼして併殺は取れず)で2死二塁として真砂に四球。1番・牧原が中前タイムリー。このヒットで牧原はウエスタン・リーグのシーズン新記録となる119安打達成です。

フォークを松中に3ランされた白仁田。その前の牧原はフォークで三振でした。
フォークを松中に3ランされた白仁田。その前の牧原はフォークで三振でした。

3回は白仁田が登板し、4番・李と5番・猪本から連続三振を奪うなど三者凡退。ところが4回、中前打した安田が犠打と盗塁で三塁へ進み・拓也の中前タイムリー。真砂にも右前打され、牧原はフォークで空振り三振で2死となったあと、松中に落ち切らなかったフォークをライトへ運ばれます。中谷が、一歩どころか微動だにせず見送った3ラン。この回4点を失い、7対0となりました。

5回は山本が三者凡退。6回に連投となる岩貞が登板し、下位打線ながら左の亀澤、右の拓也と真砂を3者連続三振!真砂を仕留めたのはインコースへのスライダーでした。7回は玉置が先頭の牧原に左前打(記録更新の120安打)と盗塁を許して、代打・上林は二直。飛び出した牧原を刺そうと黒瀬が二塁へ送球するも、これがエラーで三塁へ。2死後に勧野の中前タイムリーを浴び8点目。8回の小嶋は亀澤に中目だされたものの後続を内野ゴロで退けて無失点。

4回、東浜に対して原口は見逃し三振。際どいところでしたけどねえ…
4回、東浜に対して原口は見逃し三振。際どいところでしたけどねえ…
続いて4番の狩野選手はカウント1-2からの4球目を空振り三振。
続いて4番の狩野選手はカウント1-2からの4球目を空振り三振。
最後は陽川。やはりカウント1-2から変化球でクルリ。3連続三振です。
最後は陽川。やはりカウント1-2から変化球でクルリ。3連続三振です。

さて阪神の攻撃ですが、こちらは淡々と進みます。1回は黒瀬が四球で出て、田上の三ゴロで二塁封殺、田上が盗塁を決めるも後続を断たれ無得点。2回は三者凡退。3回にも一二三が四球と盗塁で1死二塁としただけです。4回は東浜が登板。原口は見逃し、狩野と陽川は空振りでクリーンアップが三者連続三振に切って取られました。5回は中谷がチーム初ヒットの中前打を放ち、一二三は四球を選ぶも得点にはつながりません。

ようやく6回にチャンスが訪れます。田上が中前打し、原口は三振でしたが代打・森田はサード内野安打、陽川の死球(ひじあてにコツンと)で満塁!小豆畑がいい当たり…しかし三直。中谷は三振で3者残塁です。7回からは伊藤大、岩嵜、星野にパーフエクトピッチングを許した打線。反撃の機会というより、手も足も出ずに小虎の今季最終戦が終わりました。

秋に向けての課題、収穫

最終戦を終えて平田監督は「1年間打てなかったソフトバンクに、最後でまた抑えられた。1軍クラスのピッチャーたちが出てきて、自分たちの力のなさを感じた2試合だっただろう。いい試合だったと思うよ。フェニックスリーグ、秋季キャンプに課題が見つかった」と総括。

コメントは何人かの投手のみです。まず、3月2日の教育リーグ・オリックス戦以来(公式戦は昨年5月25日のオリックス戦以来)だった藤原投手。1イニング目は1死から四球を与えますが。小宮山の盗塁阻止もあって3人で終了。4安打で3点を失った2回について「タイミングがどんどん合ってきてしまった。もうちょっとですねえ。追い込むまではいいのに結果球が…」と反省。球は悪くなかっただけに残念でしょうね。「もうちょっと投げたかった」と言っていました。

白仁田投手は「フォークですねえ」とひとこと。松中選手の3ランは高めにいってしまったフォークですが、牧原選手の三振や他にもいい落ちがあったのでは?「はい。でもまだまだです」。やはり反省しきり。

連投となった山本投手は、ともに無安打無失点ながら前日が先頭に四球、この日は三者凡退で「きのうはよくなかった。きょうはよかったけど一日一日変わるようじゃいけないですね」とのこと。少しフォームが変わったようで「まだしっかり出来上がってはいない。使える球と使えていない球があって。練習すれば確実性も上がってくると思います。もっといいパフォーマンスができるようにしたい」と話しています。

3奪三振の岩貞、最速は146キロ

同じく、前日に続いて登板した岩貞投手。こちらはプロ初の連投です。「きのうの最後がああいう形(危険球退場)だったので、いい結果を残さないとチャンスがないと。それなりのピッチングはできたと思います。きのうもそうだったんですが、左バッターのインコースに入って…中日戦の時もそれで(堂上剛選手に)タイムリーを打たれたから。そのへんを気にしてマウンドに上がった。自分のピッチングをすることだけ考えていきました」

3ボールになっても四球の心配があまりない岩貞投手。キレもスピードも◎です。
3ボールになっても四球の心配があまりない岩貞投手。キレもスピードも◎です。

中継ぎで待機していて、先輩方からアドバイスをもらったとか。特に「筒井さんには自分から質問をしたりしています。きのうも投げ終わってから話を聞いて、投げ方や準備の仕方を教えてもらった」と岩貞投手。また中継ぎの心構えなども“指南”され、参考になっていると言います。そんな中で「きょうは何球で肩を作れるかを見てみたら15球でした。この球数で確認できるとわかった。先発の時は30球くらいなので」とのこと。

「きのうの影響もあったのか、最初の左バッターにスリーボールになったのはなあ。それはいただけないけど、入りだけやな。球のキレは申し分ない」と平田監督。久保投手コーチも「きのうに比べたら断然よかった。経験だけだと思うよ」と話しています。やはり岩貞投手は先発としての戦力ですから、今回の中継ぎは期間限定。とはいえ1軍での披露がとても大事な舞台になりそうで、緊張しますねえ。

ウエスタン最終成績&個人タイトル

では最後に、きのうで全日程が終了したウエスタン・リーグのチーム成績と、記録による表彰選手を書いておきます。

チーム勝敗

(試合 勝-敗-分 勝率 1位とのゲーム差)

1 ソ 108 68-37-3 .648

2 広 104 60-37-7 .619   4.0

3 神 109 51-50-8 .505 15.0

4 オ 104 36-61-7 .371 28.0

5 中 104 36-63-5 .364 29.0

記録による表彰選手

【最優秀防御率】二神一人  (神) 2.02

【最多勝利】  東浜 巨  (ソ)  9

【 〃  】  秋山拓巳  (神)  9 

【 〃  】  飯田優也  (ソ)  9

【最多セーブ】 フィリップス (広) 17

【勝率第一位】 山田大樹  (ソ) .889

【首位打者】  牧原大成  (ソ) .374

【最多本塁打】 猪本健太郎 (ソ)  17

【最多打点】  塚田正義  (ソ)  70

【最多盗塁】  安部友裕※ (広)  26

【最高出塁率】 塚田正義  (ソ) .402

最多盗塁の安部選手が3年ぶり2度目の受賞で、他は全員が初受賞となりました。最後に中継ぎで2イニング投げ、最多の9勝に並んできた東浜選手のコメントも、ちゃっかり聞いてきたので後日ご紹介します。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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