【佐久市】石積みの違いがよくわかる?お堀の水が抜かれた龍岡城五稜郭にいってみた
函館五稜郭とともに日本に2つしかないもう一方の五稜郭・龍岡城五稜郭のお堀が浚渫(しゅんせつ)工事により水が抜かれ、そのタイミングで市教育委員会が見学会を実施したと12月中旬地元佐久CATV「SAKUいち」や信濃毎日デジタルが報じていました。「堀の水、ぜんぶ抜く」というと外来魚駆除が人気のテレビ番組がありましたが、こちら龍岡城の工事はお堀の土砂を取り除くもの。見学会では堀の石積みが堀の城側と外側では石の積み方が違うといったことが説明された様子が放映され、正月明けにはNHKの日本のお城をめぐる番組も楽しんだので「やっぱり直に見てみたい」と思い現地に行ってみました。
龍岡城五稜郭とは
日本に2つしかない五稜郭。この案内図を見れば確かに5つの突起が函館のそれとそっくりです。が、いかんせん規模が小さく輪郭が函館ほどはっきりしないので、近くの山の展望台からの眺めもこのとおり。
テレビの正月特番でお城を取り上げた番組におよそお呼びのかからない小ぶりな龍岡城ですが、五稜郭の形を頭に入れて近くに行けば、なかなか趣のある城跡です。今回は堀の石積みに的を絞って見てみましょう。
龍岡城の石積みは
こちらは佐久市に近い小諸城跡(懐古園)の石垣。大きな石がその重さとバランスを保って組まれています。小諸城は甲斐から信濃に侵攻した武田家により天文23年(1554年)築城されたと懐古園の解説板にありました。
こちらは小諸城からざっと300年後の慶応3年(1867年)に築城された龍岡城のお堀。土塁で地面が盛り上がっているのが城側。表面が平たく隙間が少ない石積みであるのが見てとれます。江戸時代(1603年~1868年)中期にはこのような石積みのスタイルが確立されたそうです。
外側の堀の石積みはしっかりと隙間の少ないものとはされていないようで、ご覧のように壁面から植物が生え枝が伸びる始末。
また、整地された外側の堀も区画によって石積みが異なるのも興味深いですね。
工事をお知らせする看板によると、工期は2月14日まで。堀に水がはられる前に一度龍岡城五稜郭のお堀の石積みをじっくりと眺めてみてはいかがでしょうか。
【オマケ】
せっかく来たのですから、工事区画だけでなくお城の周囲を歩いてみました。
令和3年の佐久市教育員会発表の「史跡龍岡城跡整備基本計画」によると、将来的には城内に大手門や陣屋が復元される計画があるそうです。史跡として整備され、さらに趣のある場所となることを期待したいと思います。
住所:長野県佐久市佐久市田口3000ほか Yahoo!マップ
アクセス:JR小海線龍岡城駅徒歩20分,JR小海せん臼田駅徒歩20分