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【手帳術】手帳がデジタルツールよりも優れているのは、色分けの簡単さと情報の記入の位置の自由度です

舘神龍彦デジアナリスト・手帳評論家・歌手

 前回は、手帳とデジタルツールの違いの一つとして欄外をあげました。

【手帳術】手帳とデジタルツールの違いの一つは欄外!活用すれば手帳は何倍も便利になるので使いましょう

 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/a72b62990b56d0533ee35ad7a0c4e2437ad829a4

 そして、手帳とデジタルツールの違いはこれ以外にもいろいろあります。

 その一つが色の自由な使い方。また記入できる位置も自由です。

 こんにちは。デジアナリスト・手帳評論家・歌手の舘神龍彦(たてがみたつひこ)です。今回は、マルチペンの赤いインクを使って締切を書く例を紹介します。

 これは手帳術として考えるとふつうのことです。そしてデジタルツールだと同じ事はやや難しいかも知れません。その理由も説明します。

デジタルツールで色分け入力する方法

 Googleカレンダーでは、色分け入力すること自体はできます。

 例えばiPhoneのアプリでも、色を指定する設定項目はあるわけです。

iPhoneのGoogleカレンダー。予定の色分けはできる。パソコンのGoogleカレンダーでももちろん同じ機能は提供されている。また、色ごとにグループを設定して共有などもできる
iPhoneのGoogleカレンダー。予定の色分けはできる。パソコンのGoogleカレンダーでももちろん同じ機能は提供されている。また、色ごとにグループを設定して共有などもできる

 だからこの点だけを見ればイーブン、と言えなくはなさそうです。

 ですが、どうやらそれだけではなさそうです。

 これは、書いていて気がついたのですが、手帳の記入面にはデジタルなスケジューラーにはない、自由度があるのです。

 月間予定欄でも週間予定欄でも共通した特徴です。

四角い面のどこに記入するか

 それは、四角い面のどこに記入するかをユーザーが自由に決められる点です。

 Googleカレンダーでは予定は時間帯や色を設定できますが、アプリのどこに表示するかは時間帯以外の設定は不可能です。

 これに対して、紙の手帳では、月間予定欄の1日の四角い面のどこに記入するかは、ユーザーに一任されています。

締切を赤いインクで、月間予定記入欄の日付の右上に記入したところ。
締切を赤いインクで、月間予定記入欄の日付の右上に記入したところ。

 この例では、右上に記入しています。そしてたとえば、日付の数字の上下どちらかに書いても、左下に書いてもいいのです。

 この、「どんな情報を」「何色で」「どこに」書くのかは、ユーザーが自覚的にルールとして決める必要があります。また、必要に応じてそのルールを手帳の巻頭などに書いておくことも必要です。これは手帳が、各種デジタルツールのアプリとは異なり、ユーザーの自由度が高い道具だからでもあります。

 ともあれ、記入面のどこに何色で何を書くかについての自由度こそが、手帳のデジタルツールにはないメリットだと言えます。

色で情報がレイヤー分けされる

 手帳に記入するのに、複数色のペンを使うのには、わりと普通のテクニックです。

 そしてやっていくとわかるのですが、同じ色の情報だけを見ることができるようになります。この例で言えば、締切が月に何回あり、いつ頃に集中しているかなどの情報が、赤い文字を集中してみるだけですぐに把握できるようになるのです。
 色分けだけならば、デジタルなツールにもできます。そしてそれをより手軽に、また記入位置の自由度を持って実現しているのが手帳だと言えます。

 手帳を使っているユーザーの多くは、このことを意識されて使っているのではないかと思います。

デジアナリスト・手帳評論家・歌手

デジアナリスト・手帳評論家・歌手。著書『手帳と日本人』(NHK出版新書)は週刊誌の書評欄総ナメ。日経新聞「あとがきのあと」登場ほか大学受験の問題に2回出題。『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)等著書多数。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。講演等も。手帳ユーザーを集めた「手帳オフ」を2007年から開催する等トレンドセッター的存在。手帳活用の基本をまとめた「手帳音頭」をYouTubeで公開中。認知症対策プロダクト「おぼえている手帳」は経産省オレンジイノベーションプロジェクト事業採択。

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