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【神戸市】昭和の洋画家、角野判治郎と現代クリエイター家族が紡ぐ創造の系譜

Kaia地域ニュースサイト号外NETライター(神戸市)

神戸市が生んだ洋画家、角野判治郎氏。彼の作品は、鮮やかな色彩と生命力にあふれ、時代を超えて人々の心をつかみます。須磨区月見山駅近くの自宅兼アトリエで創作活動を続けた角野氏は、77歳で生涯を閉じるまで数々の名作を世に送り出しました。

商業活動を好まなかった彼の意思を尊重し、多くの作品は神戸市立小磯記念美術館に寄贈されています。ご家族の協力で一部の作品を拝見した際、角野氏の創作への情熱がひしひしと伝わり、心に残る体験となりました。

パリと神戸で輝いた多彩な人生

角野氏は東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、1927年にフランスへ渡航しました。パリのモンパルナスにアパートとアトリエを構え、4年間の滞在中に画才を磨いたとされています。帰国後は神戸大学で教壇に立ち、教育に尽力する一方で、明光会(現・兵庫光風会)を創立するなど、アートと共に多彩な人生を歩まれました。

彼の作品の中には、1920年代のパリで「モンパルナスの女王」と称されたモデル、キキ(アリス・エルネスティーヌ・プラン)を描いた肖像画ではないかとされるものもあります。歴史的背景を知ると、その絵画がより一層魅力的に感じられます。

昭和の洋画に息づく新鮮な表現

昭和初期に描かれた作品ながら、角野氏の絵には古さを感じさせない新鮮さがあります。描かれた人物や生物が今にも動き出しそうなリアリティと、時代を超えた表現力に圧倒されます。

2025年1月4日から小磯記念美術館で開催される「昭和の洋画」で、角野氏の作品が展示されます。この展覧会では、昭和を代表する洋画家の作品が一堂に会し、没後80年となる林重義氏の作品と共にその魅力を紹介。時代を超えた芸術の深みを堪能できる機会です。

提供:神戸市立小磯記念美術館様
提供:神戸市立小磯記念美術館様

受け継がれる創造性

角野氏の創造の遺産は、曾孫にあたるクリエイターが手掛ける「AMO’S CREATE」に受け継がれています。神戸をテーマにした可愛らしいグッズの制作・販売を通じて、角野氏の影響が現代の形で表現されています。

提供:AMO’S CREATE様
提供:AMO’S CREATE様

「AMO’S CREATE」の神戸グッズは、神戸西神オリエンタルホテルのフロント前にて常設販売されています。また、2025年1月19日(日)には須磨パティオ1番館でチャレンジショップに出店予定です。新作アイテムも続々と登場し、神戸らしい感性を届けるブランドとして注目を集めています。

提供:AMO’S CREATE様
提供:AMO’S CREATE様

さらに、オーナーのお嬢様、笠原寧心さんは、2024年に小学生起業家としてオリジナル文具ブランド「Sorakumo」を立ち上げました。親子で新たなアートの未来を切り開くその姿は、角野氏が紡いだ創造のスピリットを現代に息づかせています。

提供:Sorakumo様
提供:Sorakumo様

神戸でアートに触れるひとときを

新しい年の幕開けに、角野判治郎氏の作品と、その遺志を受け継ぐ家族の活動を楽しんでみませんか?昭和の洋画展で時代を超えた創造性を味わい、現代のアートが織りなす新たな価値に触れる特別な時間が待っています。神戸のアートシーンをぜひご体感ください!

イベント・関連情報

小磯記念美術館「昭和の洋画」展

  • 開催期間:2025年1月4日~4月6日
  • 開催場所:兵庫県神戸市東灘区向洋町中5丁目7
  • 公式Instagramこちらをチェック

AMO’S CREATE

Sorakumo

地域ニュースサイト号外NETライター(神戸市)

地域ニュース号外NETの神戸市担当ライターです。神戸の魅力をたっぷりとお伝えします。

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