公式戦なら新記録の「1打席22球」。この打者は再現の可能性あり!?
3月14日、ルイス・ギヨーメイ(ニューヨーク・メッツ)は、5回裏の先頭打者として打席に入り、四球で出塁した。一方、この回からマウンドに上がったジョーダン・ヒックス(セントルイス・カーディナルス)は、ギヨーメイを歩かせたところで降板した。
故障したわけではないが、ヒックスはギヨーメイに対して22球を投げた。データが存在する1988年以降、公式戦で記録された1打席の最多投球は21球だ。2018年4月22日に、ハイメ・バリーア(ロサンゼルス・エンジェルス)がブランドン・ベルト(サンフランシスコ・ジャイアンツ)に対して投げ、21球目でライトライナーに討ち取った。ヒックスとギヨーメイの対戦は、それよりも1球多かった。
22球を投げたヒックスは、2019年6月22日以来の登板だった。その直後に、トミー・ジョン手術を受けた。22球中、100マイル以上が6球。99マイルも4球あった。2018年にデビューしたヒックスは、スタットキャストのデータによると、変化球を含む通算1728球のうち、50.9%の879球で100マイル以上を記録した。105.0マイルの2球は、過去3シーズンに全投手が投げた全投球のなかで、最も速かった。
22球を投げさせたギヨーメイは、昨シーズンがメジャーリーグ3年目だった。29試合に出場し、2019年8月10日に続く通算2本目のホームランは打てなかったものの、打率.333と出塁率.426を記録した。また、ギヨーメイは、68打席で計327球を投げさせた。1打席平均4.81球は、20打席以上の494人中、最も多かった。1試合22球も、まったくの偶然ではなかったのかもしれない。
なお、ユーティリティ内野手のギヨーメイは、昨シーズン、マウンドにも上がっている。8月10日――奇しくも初ホームランのちょうど1年後――の試合で、13点ビハインドの9回表に登板。打者3人に対して投げ、計9球でイニングを終わらせた。
もし、公式戦でも1打席22球を記録するのであれば、トリビアとしては8月10日が望ましい。